10-12月期GDPは前期比+0.2%(年率+0.9%)を予想

~企業部門を中心に引き続き減速傾向~

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2005年01月31日

  • 経済金融調査部
実質GDPは減速継続
2月16日発表予定の10-12月期GDP1次速報について推計したところ、実質GDPは前期比+0.2%(年率換算+0.9%)となった。輸出、設備投資など企業部門の減速が鮮明となり、民間消費も暖冬の影響もあり弱含む見通し。在庫は最終需要の減速を受けて増加するとみられる。景気減速を追認する姿となり、名目GDPも前期比-0.1%と3四半期連続のマイナス成長が予想される。

主要項目
(1) 民間消費・・・民間消費は前期比+0.1%と低調な伸びを予想。家計調査によると暖冬の影響を受けて被服、暖房器具、食料が前期比マイナスとなり、昨年前半に好調だったデジタル家電や宿泊等の娯楽関連支出も減少した。暖冬要因を割り引けば、実勢は数字ほど悪くないとみられるが、耐久財購入のモメンタム低下はややネガティブ。また、住宅投資は、前期比+1.5%と伸びが高まったとみられる。住宅ローン減税縮減前の駆け込みが主因。
(2) 設備投資・・・設備投資は前期比+0.5%となり減速がより鮮明化するとみられる。
04年前半好調だった電機の半導体投資が一巡し、一般機械工業も工作機械等での頭打ちがみられる。小売・不動産業等の建設投資や素材業種、通信業の設備投資が底堅いため、大きく下振れすることはないとみられるが、循環性が強い電機・機械の動きには注意が必要である。
(3) 輸出・・・財・サ輸出は前期比+0.6%と引き続き減速と見られる。輸出財として、素材製品は価格上昇から金額では伸びているが、数量は横這いかマイナスであるため、全体としては、加工組立業種の動きで決まり易くなっている。10-12月期については自動車や一般機械で底堅かったものの、電機輸出が半導体等電子部品を中心に減速した。

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