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エマージング債にチャンスあり

2004年12月27日

長谷川 永遠子

エマージング債の投資パフォーマンスには目を見張るものがある。米国の株価やジャンク債指数がこの5年で20~40%上昇した間、エマージング債指数はほぼ2倍になった。特に2000~2002年は米国の金融市場がITバブルの崩壊や同時テロ、エンロンなどの企業会計不信で大揺れだっただけに、エマージング債の安定したパフォーマンスは際立って感じられる。

エマージング債の高パフォーマンスは発行国のファンダメンタルズ改善と米金利の低下に裏打ちされてきた。ファンダメンタルズの改善をムーディーズやS&Pによる投資格付けで代用すると、2000~2002年にメキシコが、2003~2004年にロシアが投資適格国(トリプルB以上)の仲間入りを果たした。この2カ国に比べ財政健全化が遅れたブラジルも2004年にシングルBからダブルBに浮上。この3カ国でエマージング債市場の6割超を占めるのだから、エマージングというアセット・クラスの質が大きく変わりつつあるのが分かってもらえよう。この間米10年債利回りは6.5%から3%台前半まで低下し、債券価格全般を押し上げた。

しかし米国の超低金利局面は終わりを迎え、2005年は緩やかでも着実な金利上昇が見込まれている。エマージング債も全体としては絶頂期を過ぎたと言えるが、米金利上昇によるインパクトをファンダメンタルズの改善(=上乗せ金利の縮小)で緩和できるような国への投資魅力は衰えていない。更なる格上げが期待されるロシア、ブラジル、メキシコ、債務不履行下にあるとはいえ売られすぎた感もあるアルゼンチンで高い収益率を狙えるチャンスがあるのではなかろうか。

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