インターネット関連ビジネスの新たな潮流 ~ネットコミュニティビジネス~

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2004年12月24日

  • 藤巻 潤一
インターネット関連ビジネスが順調に成長している。経済産業省は2003年の企業-消費者間の電子商取引市場を前年比64.8%増の4兆4,240億円、電通は2003年のネット広告市場を前年比40.0%増の1,183億円と推計している。2004年も堅調な拡大が予想される。

ネットバブル崩壊後、インターネット関連企業は試行錯誤を繰り返しながら成功モデルを探り、ヤフーや楽天などの成長企業の業績拡大ペースも高まってきた。こうした中、インターネット関連サービスの新たな動きとして、インターネット上でバーチャルな集団を作るネットコミュニティが注目されている。ネットコミュニティサービスの代表格と言えば、以前はウェブ上の掲示板であったが、ここ1~2年ではブログやソーシャルネットワーキングサービス(以下、SNS)など新しいサービスが急速に広がっている。

現在、日本ではクチコミやブログおよびSNSに対して課金する純粋なネットコミュニティビジネスが成り立ち難い状況にある。そのため、これらのコミュニティサービスでサイトへのアクセス件数や登録会員数を増やし、アクセス件数を背景にしたネット広告、登録会員を活用した商品開発やネットリサーチで売上を計上している企業が多い。

今後もネット広告やネットリサーチの分野でのネットコミュニティビジネスの成長が期待できる。ここ2~3年でネット広告は現在の約2倍の2,000億円程度、ネットリサーチは現在の約1.5倍の200億円程度まで市場規模が拡大すると予想されるためである。会員数やアクセス数を増やすための広告活動やサービス強化、会員の属性やニーズにマッチした広告主の開拓、会員の利便性を損なわないようにしたアフィリエイトプログラムの導入、などがビジネスの勝敗を分けるポイントとなろう。

メーカーや小売業者の利益に直結する可能性を秘めた利用者のデータをメーカーにフィードバックするビジネスも期待される。この中には、商品開発およびマーケティング戦略やプロモーション戦略への活用が含まれる。クチコミやブログの中には消費者から見た商品の意見や感想が盛り込まれており、メーカーや小売業者のリアル事業に活用が可能である。それが実現できれば、ネットコミュニティビジネスの市場規模は飛躍的に拡大しよう。来年はインターネット関連ビジネスの新サービスとしてネットコミュニティビジネスに注目したい。

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