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地域からみた人口減少、高齢化

2004年10月14日

星野 菜穂子

日本がまもなく人口減少社会に入ることから、人口構造変化への関心が高い。しかし、人口減少、高齢化の進行は地域的に均等ではない。地域からみた将来の人口推計については、国立社会保障・人口問題研究所が「都道府県の将来推計人口」「市区町村の将来推計人口」として、都道府県及び市区町村の2030年までの人口推計を公表している。

同資料によって将来の人口構造変化の特徴をみると、まず、都道府県レベルでは、(1)人口減少が地方圏を中心に進み、2000年から2015年にかけて人口増加が見込まれるのは、大都市圏に属する都府県、地方地方中枢都市を抱える宮城、福岡、それに沖縄など11都府県に留まる。さらに2030年にかけても人口が増加する見込みであるのは滋賀、沖縄の2県のみとなる。(2)生産年齢人口(15~64歳層)では、ほとんどの県が減少見込みだが、なかでも地方圏の減少率は大幅であることから、人口および生産年齢人口の東京圏(埼玉、千葉、東京、神奈川)への集中が一層強まることになる。また、高齢化をみると、(3)2030年には、高齢化率(高齢者人口/総人口)がさらに上昇し、3割を超える道府県が全体の4分の3程度に達する見込みで、その水準は都市圏よりも地方圏が高い。但し、(4)高齢者人口の増加率は、大都市圏でより大幅であるため、高齢化率の都道府県格差は縮小することになる。

今回は、上述の都道府県の将来推計人口と整合するかたちで、市区町村レベルの将来推計人口も公表されていることが目を引く。それによると、2000年時点の3246市区町村を前提とした場合、(1)2030年には、5千人未満の町村が増加し、全体の約35%(2000年時点では約25%)を占める、(2)2000年から2030年にかけての人口減少率が3割を超える団体は、全体の約36%程度に相当する1182団体に達し、地方圏に集中している、という結果がみられる。 

このように、地域別の人口構造変化は、大都市圏を中心とした都市部で高齢者人口の増加率が高くなることが一つの大きな特徴ではあるが、人口減少は地方圏で大幅である。基礎自治体レベルでみると、地方圏の中には、深刻な人口減少がおき、現状の地域の維持そのものが困難となるところも出てくることが予想される。これらを前提とすれば、高齢者人口増に伴う財政需要への対応だけではなく、小規模自治体のあり方も検討課題だ。小規模自治体については、財政状況が厳しい中、財政効率性の面から市町村合併等が唱えられることが多いが、中長期的な人口構造変化の面からも、合併に限らず広域行政のあり方、また地域政策のあり方等を考えていかねばならないといえるだろう。

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