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上海でF1レース開催

2004年10月04日

櫛田 雅弘

近鉄とオリックスの球団統合、ライブドアと楽天の加盟申請、プロ野球界を揺るがす一連の動きは、企業経営のなかのプロスポーツのあり方を、改めて考えさせられる出来事である。

中国では、先々週、F1レースが上海で開催された。3億2000万ドルが掛かったとされるレース会場には15万人を超える国内外の観客が、中国初となるF1レースを満喫した。レーサー達は、上海の街の巨大さと市内の交通渋滞を驚く一方で、サーキット施設の素晴らしさを絶賛していた。フェラーリ、マイケル・シューマッハに対する人気は絶大で、フェラーリ・グッズが飛ぶように売れたという。結果は、シューマッハは12位と振るわなかったが、同僚のルーベンス・バリチェロが僅差で優勝、BARホンダは2位にバトン、6位に佐藤が入賞した。

中国の自動車販売は、昨年400万台を超え、米国、日本に次ぐ自動車大国になったが、2010年には1,000万台近い市場になるとの見方が有力である。足元の販売状況は、金融引締めの影響などにより、減速傾向にあり、企業間の価格競争が激しくなっているが、世界中の自動車メーカーが、この巨大市場で事業拡張を目論んでいる。

自動車メーカーにとって、巨額な投資が必要なF1レースへの参入に期待するリターンは、自社のブランドの向上であるが、商業的な意味で、中国でのF1レースの開催の意味は大きかろう。F1レースが、中国富裕層の高級車およびスポーツカーへの関心を高めることが期待される。

日本メーカーでは、2000年にホンダがF1に復帰、02年にはトヨタも参戦した。一方、上海でのレースの前に、フォード・ジャガーがF1からの撤退を発表しており、各社各様の取り組みがみられる。F1の開催で、中国におけるフェラーリの認知度は一段と高まったと思われるが、残念なことに、親会社のフィアットの中国展開は左程積極的でなく、フェラーリ人気を自らの大衆車ビジネスに結びつけるのは難しい。また、F1会場の近隣に工場を持つフォルクスワーゲンは、F1に参入しておらず、こちらもF1効果とは縁の遠いメーカーである。

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