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積極的な日韓ビジネス提携戦略のススメ

2004年09月02日

五百旗頭 治郎

去る8月26日、大和証券SMBCソウル支店は韓国全国経済人連合会(日本の経団連に相当)と共同で日韓M&A活性化セミナーを開催した。私を含めて4名のスピーカーが講演を行ったが、共通のメッセージは「もっと積極的に日本企業買収・日本企業との提携を考えましょう」というものである。参加者は、日本企業買収や日本進出に関心の高い韓国企業の方を中心に50名程であったが、非常に熱心に質問を講演者達に投げかけていたのが印象的であった。

残念なことに韓国から日本への直接投資は非常に僅かである。03年度の韓国からの対日直接投資額は3,300万米ドルに留まっており、日本に投資される直接投資額全体の0.2%に過ぎない。日本国内では企業間M&Aが完全に定着。外国企業による日本企業買収も目立つようになっている(03年度の外国企業による日本企業買収は170件)。8月にも上海電機集団総公司による工作機械の池貝買収話が出るなど中国企業の動きは活発であるが、韓国からの投資には動きが見られない。当支店も、日本企業の韓国進出アドバイザリーをした経験は多数あるが、韓国企業の日本進出を手助けした経験はないのが現実だ。

しかし、今後は、韓国企業による日本企業買収ケースは出てくる可能性が高い。韓国経済が成熟に向かう中、中国企業との競争激化や日韓FTA締結(05年末予定)を控え、韓国企業にとって部品分野を中心に技術力向上は喫緊の課題だからである。ただ、韓国企業の人がよく口にする「日本の技術力を手に入れたいんだ」「核心技術だけを部分買収したい」といった、とくにかく日本の技術だけを欲しいという態度はナンセンスである。そもそも、日本企業にしても韓国企業にしても、ある企業の技術力はその企業の機械設備を買えば自動的についてくるものではない。機械を使う従業員、従業員を動かす経営システム、経営システムの根底にある企業文化などがあって初めて技術力は発揮されるのである。したがって、ある日本企業の技術力を獲得したいのであれば、まとまった出資を行って当該日本企業の経営に関与しなければならない。次に、最近は日本企業も技術流出に非常に敏感であるため、日本企業が持つ技術の取り扱いにより一層の神経を使うことが求められる。加えて、日本に進出する韓国企業は、やはり投資先の文化・経営スタイルを尊重しながら、日本人マネージメントを積極的に活用しながら現地に適応する必要があろう。そうしなければ、日韓企業がWin-Win関係を構築することはできないからである。

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