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中国証券当局への助言

2004年08月11日

経済調査部 主席研究員 齋藤 尚登

7月下旬に、中国の証券当局であるCSRC(中国証券監督管理委員会)の依頼を受けて、証券市場の対外開放・自由化についての意見・要望を提出する機会を得た。適格海外機関投資家制度(QFII)については、以下のような要望を述べた。QFII導入効果は、1)新規資金流入で株価が刺激される、2)ファンダメンタルズや情報開示を重視する海外機関投資家の投資手法が国内投資家に浸透することで投機性が和らぎ、企業の情報開示も改善される、などと考えられるが、現行制度はかなり制限的であり、このような効果が発現するのを妨げている。QFIIのプレゼンス拡大のための制限緩和、具体的には、(1)ノミニーの許容化と増額申請の簡素化(資金供給源の多様化が図られる)、(2)ベンダー数の複数化(競争原理の導入により、現地証券会社のブローカレッジ業務、アナリストレポートなどの水準向上に資する)、(3)クローズド期間、本国送金限度、送金間隔の緩和・将来的な撤廃(資金流入の活発化)、(4)できるだけ速やかな先物市場の開設(現状では、先物市場によるヘッジ手段がないため、ポジションを合理的に増やすことができない。先物市場の開設によって、投資機会や投資額が増え、マーケットの厚み・安定性が増す)、などが求められる。

さらに、今後の市場開放に関する要望として、合弁証券会社の外資比率の引き上げ(現行は1/3まで)やA株ブローカレッジの認可(現行は引受業務のみが可能)などを助言した。一般論としても、中国に進出する外国企業にとって、経営権の掌握=出資比率が50%超か否かは、重要な問題である。また、A株の引受業務とA株のセカンダリー業務は表裏一体であり、ブローカレッジへの参入が認められることによって、最適なファイナンス・スキームを構築し、円滑な消化販売が促進できると考えられる。

証券当局が外国証券会社にこのようなヒアリングをかけたことは、非常に興味深く、当局の市場健全化に向けた姿勢の一環としても評価される。上記のような措置は国内証券会社の経営基盤に大きな影響を与え得るものであるが、「外圧」を利用した構造改革は、WTO加盟後の中国がこれまでも歩んできた道である。証券市場の対外開放・自由化の次の一手が大いに注目される。

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経済調査部
主席研究員 齋藤 尚登