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足利銀行の受け皿に関する3つの選択肢~栃木県サイドからの視点~

2004年08月10日

足利銀行の受け皿問題に関して、栃木県の地元サイドの視点に立って考えると、望ましい選択肢は、実は以下の3つに絞られている。

A 県が中心になって数百億円出資する(狭い意味での「県民銀行」)

B 足利銀行のまま2~3年引っ張り、その後受け皿を決める

C 地元の銀行を受け皿にする(広い意味での「県民銀行」)

まず、A案については、結論から言うと、現実的には難しい。地元の意向がストレートに反映されるというメリットはあるものの、以下の3点が問題となるからである。(1)地元企業を守るという県の立場上、不良債権の最終処理のための貸出資産の切り分けをすることが困難である、(2)県の公金の使い道としてどうなのか、県民はそれを望んでいるのか、(3)そもそも県庁サイドにその意思がないので実現する可能性は非常に低い。

次に、B案については、A案より現実的ではあるが、受け皿問題を先送りすることになり、以下の3点が問題となる。(1)県内のトップバンクが受け皿も不明のまま、中途半端な形で2~3年も引きずることになる、(2)受け皿の早い段階での関与があった方が、企業再生を責任持って行いやすい(足利銀行が再生させると決めた企業でも、受け皿がNoと判断する可能性もある)、(3)時間をかけているうちに、外資系のファンドなどを含め、地元の意に沿わない受け皿が名乗りを挙げ、入札など経済合理性で決まるリスクもある。また、そもそもB案は預金保険法120条に「できる限り早期に、第3号措置を終えるものとする」と明記されている法律の主旨にも反していると考えられる。

最後に、C案であるが、個人的にはこの案が最も現実的な選択肢であると思う。
理由は以下の3点である。(1)地元の銀行であれば、県サイドの意向も十分反映されやすい(広い意味での「県民銀行」と言える)、(2)拓銀/北洋銀行という良い先行事例・お手本が存在し、また実現させることが十分可能な状況にもある、(3)地元の銀行であれば、当然地元に精通しており、また足利銀行との共通の融資先も多いため、企業再生を進めやすい。

いずれにしても、破綻から半年以上経過した現在、そろそろ現実的な選択肢を絞り込んで、栃木県内の意見集約をはかる時期にきていると考えられる。

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