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エマージング債にはディフェンシブなスタンスで

2004年08月04日

長谷川 永遠子

世界の金融市場はここ数ヶ月で様変わりした感がある。米国はおよそ4年ぶりの利上げに踏み切った。歴史的な超低金利政策を修正するためで、今後も段階的に政策金利を引き上げる方針だ。高騰する原油・商品市況のインフレに対する悪影響や、世界経済を引っ張ってきた中国がこの先ソフト・ランディングできるかといったことも懸念されている。

JPモルガンEMBI+総合指数はここ数年他の資産クラスをアウトパフォームしてきたが、4-6月は▲6%と大きく下げに転じた。国別に見てもエマージング債市場は全面安の展開である。米ミューチュアル・ファンドの新興市場株式ファンドや海外債券ファンド(米国以外の先進諸国債も含む)は2ヶ月連続で純資金流出となった。世界的なお金の流れが大きく変わった局面なので、エマージング債にこれまでのような上昇相場を期待することは難しいだろう。しかしそれだけに市場選別が重要になってくる。

こうした局面ではディフェンシブな投資スタンスが求められよう。メキシコやマレーシアといった高格付け国への配分を高め、ブラジルやトルコのように債務負担の重い国、ロシアやベネズエラのような政治混乱が見られる国の比重は落としたい。

米国の個人消費は、(1)減税効果の剥落、(2)長期金利の上昇、(3)ガソリン価格の高騰によって今後スローダウンしていくものと思われる。それに伴い現在の行き過ぎた金利先高感は修正され、短期的にはエマージング債市場から流出した資金の還流も見られよう。その場合でも政治混乱が見られる国にはお金が戻りづらいのではないかと見ている。

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