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ドル高は終わっていない

2004年06月30日

亀岡 裕次

2004年の為替相場は大きく分けて、3つのステージで構成されると考えている。第1がドルの反発局面、第2がドルの調整局面、第3がドルの再上昇局面である。

今年2月、それまで下落を続けていたドルが主要通貨に対し軒並み反発し、為替相場の流れが一変した。おそらくは、「米国の景況感が他国と比べ相対的に改善する」とマーケットが読んだからだろう。「2004年前半は減税効果により米国の経済成長が加速する」と予想したことが、為替相場に影響したに違いない。案の定、米国の景況感は相対的に改善した。日本の経済成長率が2004年1-3月に前期よりも減速したのに対し、米国の経済成長率は加速した。雇用増加ペースやインフレ率がアップしたため、米国では早期利上げ観測が台頭し、長期金利が急騰した。5月にかけては、そうした米国の景況感改善を映してドル高基調が続いたのである。

しかし、当然のことながら減税効果はいつまでも続かない。減税の反動、つまり実質的な増税効果が予想される6月以降には、相対的に米国の景況感が悪化する可能性がある。すでに為替市場はそのことを織り込み始めたようで、5月中頃からは、行き過ぎた米金利先高観の修正とともにドルが下落している。日本の景況感は順調に回復しているので、「円高・ドル安基調が今後も長期間にわたり続く」という見方も広がりつつある。

ただし、ドルの調整は長続きせずに比較的小幅なものにとどまり、7-8月頃からは再びドルが上昇基調に戻ると考えている。なぜなら、今年後半には米国経済や中国経済の減速が欧州や日本にも波及し、来年前半にかけて世界的に景気がスローダウンする可能性があるからだ。過去の経験則に従えば、「世界的な景気減速局面」においてはドル高になりやすい。米国の景況感が日本と比べ相対的に上昇しやすいことが一因とみられる。

「2004年の為替相場は基本的にドル高基調」と考えた方が良いだろう。7-8月頃にかけて1ドル=106-107円程度までドルが小幅調整した後、2005年前半にかけて120円程度までの円安・ドル高が進むのではなかろうか。ドル高はまだ終わっていないはずである。

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