ブラジル新時代
2004年04月14日
ブラジルでは昨年1月、ルーラ労働者党政権が発足した。ルーラ政権の登場は「民主主義」と「市場の安定」という国際社会が最も重視する2つのキーワードでブラジルが明らかに前進したことをあらわしている。高校中退の金属工だったルーラ大統領は国民の大多数を占める貧困層の希望の星である。大統領はこれまで3度大統領選に挑戦し、いずれもエリート層に阻まれ敗退した。しかし2002年の選挙では企業家や上流階層の中からもルーラ支持に回る動きが見られたところに時代の潮流の変化が感じられた。ルーラ政権は前政権からの経済安定化政策を引継ぎ、反独占、反IMF、農地改革推進といった過去の主張とは距離を置いている。この点でも世界を驚かせる目新しさがあった。
欧米の投資資金はブラジルの変化にいち早く反応し、同国のドル換算株価は昨年倍以上になった。日本資金が出遅れたことで失った利益は案外大きい。こうした状況をお知らせしたく、日頃からブラジルの動静を観察している大学やシンクタンク、貿易振興団体、企業のブラジル・ウォッチャーたちがブラジルの変革の軌跡と今後の課題についてペンをとった。堀坂浩太郎編「ブラジル新時代」勁草書房、全国書店にて発売中!筆者もそこで金融システム安定化への挑戦を論じている。お目通し頂けるならば幸いである。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
2022年08月09日
企業に求められる人的資本と企業戦略の紐づけ、および情報開示
有価証券報告書における情報開示は実質義務化?
-
2022年08月08日
非農業部門雇用者数は前月差+52.8万人
2022年7月米雇用統計:雇用環境は堅調、労働需給はタイトなまま
-
2022年08月05日
2022年6月消費統計
感染状況の落ち着きから、緩やかな回復基調を維持
-
2022年08月05日
内外経済とマーケットの注目点(2022/8/5)
米国市場では8/10に発表される7月の消費者物価が注目される
-
2022年08月09日
投資家は非財務情報をどのように活用しているのか
よく読まれているコラム
-
2022年07月21日
2022年度の最低賃金引き上げはどうなるか
-
2015年03月02日
宝くじは「連番」と「バラ」どっちがお得?
考えれば考えるほど買いたくなる不思議
-
2022年01月12日
2022年米国中間選挙でバイデン民主党は勝利できるか?
-
2021年12月01日
もし仮に日本で金利が上がり始めたら、国債の利払い費はどうなる?
-
2006年12月14日
『さおだけ屋は、なぜ潰れないのか』で解決するものは?