中国/香港の近況
2004年03月15日
一方、香港では、先週、財政予算案が発表された。03/04年度の財政赤字幅が予想より小幅になる見込みなどが明らかにされたが、全体的に予定どおりの内容であった。ただ、政府による04年の香港の経済成長予想が6.0%に上方修正され、官民ともに先々の景気に対する自信が急速に回復していることが確認された。昨年7月に、中国中央政府との間で締結されたCEPA(経済緊密化協定)が、今年本格的に施行されるなど、中国本土との経済的な結び付きが一段と強くなることが、香港経済復活の原動力になる見通しである。全人代でも、香港の重要性について触れられ、共存共栄を進めるべきとの主旨が謳われた。ただ、香港の「二制度一国家」体制に対する考えは、緊急時の国家権限のあり方など、自らのグリップ力を強化したい中国中央政府と、既存の自由と民主主義を存続させたい香港市民の多くとの間には溝があり、経済と政治のトレードオフ作戦で香港を取り組もうとする中央政府に対する警戒感は依然根強い。大中華圏を巡る、より重大イベントである台湾の総選挙は、今週末に迫った。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
2022年08月09日
企業に求められる人的資本と企業戦略の紐づけ、および情報開示
有価証券報告書における情報開示は実質義務化?
-
2022年08月08日
非農業部門雇用者数は前月差+52.8万人
2022年7月米雇用統計:雇用環境は堅調、労働需給はタイトなまま
-
2022年08月05日
2022年6月消費統計
感染状況の落ち着きから、緩やかな回復基調を維持
-
2022年08月05日
内外経済とマーケットの注目点(2022/8/5)
米国市場では8/10に発表される7月の消費者物価が注目される
-
2022年08月10日
多様化時代の金融サービス業のあり方
よく読まれているコラム
-
2022年07月21日
2022年度の最低賃金引き上げはどうなるか
-
2015年03月02日
宝くじは「連番」と「バラ」どっちがお得?
考えれば考えるほど買いたくなる不思議
-
2022年01月12日
2022年米国中間選挙でバイデン民主党は勝利できるか?
-
2021年12月01日
もし仮に日本で金利が上がり始めたら、国債の利払い費はどうなる?
-
2006年12月14日
『さおだけ屋は、なぜ潰れないのか』で解決するものは?