1. トップ
  2. レポート・コラム
  3. コラム
  4. リスクマネジメントへの取り組み

リスクマネジメントへの取り組み

2004年02月18日

コンサルティング本部 主席コンサルタント 大村 岳雄

広がるリスクの対象
昨今、テロやSARS、食品衛生など様々な問題が発生し、企業経営にとってリスクマネジメントは、重要な課題となってきている。かつて、自然災害や工場の事故など危機管理がリスクマネジメントの中心であったが、企業の不正な会計報告や役職員による不祥事、さらにはIT化の進展に伴う情報セキュリティーの問題などその対象は広がってきた。
一般的に、リスクの定義は「事業目的の達成を困難にする要因や障害」とされている。リスクを分類すると、別表の通りである。
日本企業は、従前からリスクマネジメントに取り組んできたが、そのレベルや内容は、企業により異なり共通な基準もなく、限定的な対応であった。

英米におけるリスクマネジメント
企業の財務面における不祥事を一足早く経験してきた英米では、内部統制の一環としてリスクマネジメントのモデル作りをしてきている。米国では、1985年6月に会計5団体が組織したトレッドウェイ委員会(COSO=Committee of Sponsoring Organization of the Treadway Commissionがもととなり、92年に発表した報告書はCOSOレポートとして、その後のBISガイドラインや、日米の監査基準にも参照されている。英国においても1991年に学会、監査法人、法曹界、証券取引所などからなるキャドベリー委員会が契機となり、98年6月には「統合規範(コンバインド・コード)」として結実した。同年ロンドン証券取引所は、上場企業に対し年次報告書でこの「統合規範」に対する遵守状況の開示を求めるよう上場規則の改正を行っている。
日本においても、証券取引法の整備や東京証券取引所が上場会社に対して働きかけを始めている。リスクマネジメントは、リスクの洗い出し、コントロール活動、モニタリング等が具体的な活動であるが、重要なのは体制作りではなくトップから現場までのリスクに対する共通の問題意識と組織内のコミュニケーションのスピードではなかろうか。

リスクの分類
企業外の要因財務リスク・マーケットリスク
(金利・通貨など)
・信用リスク
・流動性リスク
非財務リスク・災害リスク
・カントリーリスク
企業内の要因オペレーションリスク・操業・運営等の
  プロセスリスク
・法的リスク
・評判リスク
ストラテジーリスク・商品戦略リスク
・マーケティングリスク

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

大村 岳雄

執筆者紹介
コンサルティング本部
主席コンサルタント 大村 岳雄