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楽観的2004年の展望

2004年01月15日

リサーチ業務部 主席研究員 小林 卓典

今年の景気と株式市場を占うキーワードがデジタルと中国であることに、多くの人は異論はないだろう。ただ、いったん景気回復に確信が生まれると、関心はその持続性へと速やかに移る。今年の場合、米国と中国経済の先行きに対する見方が、もっとも重要な論点となる。昨年の今頃の景気論議を思い起こしてみると、海外経済の環境変化という外部要因の悪化に加え、デフレの弊害や不良債権といった国内要因から経済停滞の可能性を強調するものが大勢だった。その頃と比べると、現在は後者の深刻化を主張するものはほぼ消滅し、過去数ヶ月で様相は一変したようだ。輸出主導による循環回復の行方は、米・中経済の動向という外部要因に絞られているといって良い。

デジカメ、薄型テレビ、DVDという新三種の新器に象徴される現在のデジタル景気は、数年前のITブームほどの熱気を帯びたものではないかもしれない。しかし、99-2000年のITブームが、世界から資本を吸収した米国を起点とするIT投資に偏重した需要拡張であったのに対し、現在のデジタル景気は家計需要を掘り起こした裾野の広さという点に特徴がある。無論、企業のIT投資も米国を中心に復活している。一方、中国については、金融当局が過熱気味の不動産ブームの沈静化を図り始めている点、また年初から開始される増値税の還付率引き下げが、輸出を鈍化させる可能性があるという点に懸念は残る。しかし、年明け後、まださほど日も経っていないが、CRBなど国際商品市況は一段と上昇し、不定期船の輸送運賃の高騰も収まりそうに無い。大規模に進展する中国の工業化は、素材に対する需要を拡大させ、世界的にも徐々にインフレの芽となりつつある。

一年は短いようで、事態を一変させるには十分な長さを持っている。もし、今年もデフレ継続か、インフレ転化かと問われた場合、年後半にはデフレ脱却が可能と答えたくなる、そのような一年の出だしであるように思われる。

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