米英の金融経済教育の取り組みから得られる示唆

いかに国民全員に教育を届けるかが金融リテラシー向上のカギ

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2024年07月30日

サマリー

◆2024年8月から金融経済教育推進機構(J-FLEC)が本格稼働する予定であり、金融経済教育の機運が高まっている。日本の金融経済教育の取り組みを米英と比較して示唆を得たい。

◆米国では、日本よりも幅広い内容を教えている高校もあるが、パーソナル・ファイナンスが高校の卒業要件になっていない州もあり、州によって取り組みにばらつきがある。成人向けには、消費者金融保護局(CFPB)を中心に情報提供等の取り組みが進められているが、全体として米国成人の金融リテラシーの水準は高くないと評価されている。

◆英国では、中等教育において法定教科であるシチズンシップや数学などで金融経済教育が扱われているが、若年成人の61%は学校で金融教育を受けた記憶がないと回答しているなど、必ずしも十分な金融経済教育が提供されているとはいえない。職域では、福利厚生の一環で金融経済教育を行っている企業もあるが、財務アドバイスが従業員の希望ほど提供されていないなど、従業員のニーズとの間には隔たりも見られる。

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