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アストラゼネカワクチンの2回目を接種してみた。副反応は?

2021年09月02日

ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 菅野 泰夫

英国に住む筆者にも2回目のワクチン接種の順番が回ってきた。ワクチンの種類は1回目と同じアストラゼネカワクチンであった。

今回も(1回目と同様)接種場所への到着から接種終了まで30分とかからなかった。また事前の説明では、アストラゼネカなどのアデノウイルスワクチンは、接種回数を追うごとに副反応は少なくなる(あるいはほとんどなくなる)とのこと。確かに筆者も(2回目)接種後は倦怠感もなく、熱も全くでなかったため、指示された鎮痛剤を飲むことすらなかった。

英国では接種スピードや効率性を重視するため、スマホで複数のワクチン接種日程(会場)を予約することも可能である。ただ心配無用、接種予約は国民保健サービス(NHS)番号で一元管理されており、その他の予約は2回目を接種したと同時に自動的にキャンセルしてくれる。また地域によっては、その日に余ったワクチンがある場合、近隣住民のスマホに「今からワクチン接種希望者は先着順で接種可能」などの一斉メッセージが来る。筆者も一度並んだことがあるが、残念ながらその日は(筆者の)直前で打ち切られてしまった。早く接種したいのは誰しもが同じであるが、一緒に並んでいた英国人は皆、接種会場のボランティアスタッフに「今日は残念だったけど、いつもありがとう」と感謝の言葉を伝えて帰宅していた。コロナ危機を戦時下にたとえる英国において、(第2次世界大戦時のスローガンで)今も脈々と受け継がれる “Keep Calm and Carry On(冷静に戦い続けろ)”が垣間見られた瞬間である。

英国では2021年8月19日時点で2回のワクチン接種を終了した人は4,100万人強、人口の6割を超えた。ただし同日における国内の新規感染者数は3.65万人、死亡者は113人にも上っている。7月19日の制限措置撤廃により、レストランやデパートなどには、大分客足がもどりつつあるものの、自主的にマスクを付ける人が大多数である。英国保健省は当初、民間セクターにおける在宅勤務から出勤への回帰の先鞭をつけるべく、業務や健康上の理由がない限り、9月から月間で4~8日出勤を目安にすると省内に通達していた。しかし感染拡大の状況や死者の数に鑑み、8月5日には、出勤を強いることは不要であるとUターンしている。

また過去2週間における英国内の感染者数はほとんど減少しておらず、感染拡大が抑制されないことから、ワクチン接種によって獲得した免疫が減衰し始めていることが示唆されている。8月中旬に発表されたオックスフォード大学の調査では、デルタ株感染に対するファイザーワクチンの予防効果は接種完了から4カ月後にほぼ半減したことが判明した。当該調査では、ファイザーワクチンは2回接種後の感染に対し93%と、同71%のアストラゼネカワクチンよりも高い効果を示す。しかし、接種完了4~5カ月後には、アストラゼネカワクチンの予防効果はほぼ変わらないが、ファイザーワクチンは大きく(予防効果が)落ちているという。これは2月から7月の間にファイザーワクチンの予防効果が89%から42%に低下したと結論付けた米国ミネソタ州での調査や、(アストラゼネカやスプートニクⅤなどの)アデノウイルスワクチンは長期間(4~5年)免疫が保持されるとしたロシアのガマレヤ研究所の調査結果にも合致するものとなる。特に英国では最初にワクチン接種に踏み切った医療・介護施設従事者や65歳以上の高齢者などがファイザーなどのmRNAワクチンの接種率が高いため、ブースター(追加)接種の必要性が問われることとなる。

コロナ危機に関し朗報の少ない英国ではあるが、コロナウイルスの専用治療薬を8月20日に承認するなど、かすかに明るいニュースもある。多くの犠牲者を出してきた英国のコロナ対応の先例は、少しでも各国で活用されることを願うばかりである。

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菅野 泰夫

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シニアエコノミスト(LDN駐在) 菅野 泰夫