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欧州のインターネット販売業者が「独身の日」に熱視線

2018年11月15日

経済調査部 経済調査部長 山崎 加津子

11月11日の「独身の日」は、中国において年間最大のインターネット通販セールが実施され、莫大な売り上げを記録する日としてすっかり定着している。この「独身の日」に、ドイツをはじめとする欧州のインターネット通販業者が熱い視線を注いでいる。欧州では11月と12月のクリスマス商戦が小売業者にとって最大の書き入れ時だが、11月11日はそのクリスマス商戦が始まるか始まらないかの時期で、消費を喚起するのにもってこいと考えているのである。現在のところ、「独身の日」の知名度は欧州でさほど高くはないが、インターネット通販業者は、米国に倣った「ブラックフライデー」(感謝祭翌日の金曜日で、クリスマス商戦の始まりの日としてさまざまなセールが企画される)のようなイベントに育てることを目論んでいる。また、これまでインターネット通販をあまり利用していない新規顧客を獲得するチャンスになるとも期待している。

EUの統計局であるユーロスタットのデータによると、EUでインターネット・ユーザーのうちインターネットを利用して商品やサービスを購入した人の割合は、2007年の50%から2017年は68%と着実に拡大している。国別では英国が86%で最も高く、次いでスウェーデンが84%、ドイツ、オランダなどが82%で続く。年齢別で見ると、25-34歳が77%と最も高く、次いで35-44歳が72%となる。一方、65-74歳は52%にとどまる。購入品としては64%が衣料品やスポーツ用品を購入したと回答しており、次いで休暇のための旅行の手配(53%)、日用品(46%)、コンサートなどのチケット購入(39%)が続いている。一方、売り手である企業(調査対象は従業員10人以上の、鉱工業からサービス業の広範囲な企業)側から見ると、消費者向けのインターネット販売を手掛けている企業は2017年には13%を占めるが、インターネット販売はまだ売り上げの3%にとどまっている。開拓の余地は大きいと考えられる。

ちなみに、ドイツに住んで実感したことだが、ドイツの消費者は「どれだけ安く買ったか」を自慢するのが大好きである。もちろん、良いものをより安く購入することは誰しも望んでいることだが、ドイツではその中でも低価格の重要性が大きいと感じた。インターネット通販はさまざまな商品の価格比較が容易なことが利点で、「独身の日」に倣った一斉セールが実施されれば、ドイツの消費者に対して大きなアピールとなるだろう。

ただし、日本とも共通する問題だが、インターネット通販の拡大に対して、配送面の整備が追い付いていないという問題が欧州でも浮上している。もともと11月、12月のクリスマス商戦の時期に配送されるべき荷物は多かったが、これが年々拡大している。ドイツの配送最大手のドイツポストDHLグループは2018年のクリスマス商戦では1日あたり1,100万個の小包を取扱うと予想し、1万人を臨時に雇用しているが、今後も年5~7%のペースで拡大すると予想している。配送業者の中には、コスト増加を価格に転嫁する動きも一部で出てきている。インターネット通販の魅力を削がないために、配送システムの効率化が大きな課題である。

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