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老後のための資産形成

2018年08月08日

松原 寛

少子高齢化の進展により老後の所得保障となる公的年金に対する懸念が高まっている。

現行の公的年金制度は、現役世代が納める保険料の引き上げや年金の受給開始時期の引き上げ等の制度改正が行われており、老後のライフプランに不安を抱いている人も多い。老後の生活を豊かにするためにも、早いうちから老後の生活に備えた資産形成を進めておくことが大切であろう。

老後の生活資金としては、将来の公的年金、企業年金(含、退職金)及び自助努力による資産形成が大きな柱となる。公的年金は原則として終身年金であり、老後の所得の中心となるものである。そして、公的年金で不足する額は、企業年金や自助努力による資産形成でカバーしていくことになる。その際、おおよその公的年金と企業年金の受給見込額を把握できれば、必要となる自助努力による資産形成の目標も立て易くなる。

そのためにも、まずは、公的年金の受給見込額を把握する簡単な方法を紹介したい。それは、日本年金機構が提供している「ねんきんネット」を利用することである。「ねんきんネット」では、パソコンやスマートフォンでこれまでの公的年金の加入記録を確認するだけでなく、いくつかのパラメータ(自身の職業、今後の予測収入額等)を入力することにより将来の年金受給見込額のシミュレーションを行うことができる。これによって公的年金の年金受給見込額の目安を知ることができる。

企業年金は、企業年金規程(以下、規程)を参照することにより把握可能である。規程には、企業年金の受給要件、年金額の計算式等が記載されているので、その内容に基づき年金受給見込額を算出することができる。規程の内容に不明な点がある場合は、規程の所管部署に問い合わせて確認してもよいだろう。

自助努力による資産形成の手段としては、従来の預金、個人年金等の他にもiDeCo(個人型確定拠出年金)、つみたてNISA(少額投資非課税制度)といった様々な制度が整備されつつある。これらの制度は税制もかなり優遇されており、将来の自助努力による資産形成の中心となっていく可能性を秘めている。いずれにしても、現状のライフスタイルや老後のライフプラン等を鑑み、これらの手段を組み合わせたりするなど自身にあったものを選択するとよい。

平成30年2月に内閣府より公表された「高齢社会対策大綱」(※1)には、間近に迫った高齢社会に備え、そもそもの高齢者の捉え方(定義)の見直しから、個人の能力に合せた柔軟な働き方の環境(受け皿)作り、公的年金制度の安定的運営のための受給開始時期の選択肢の拡大等が示されている。今後、ますます高齢者のライフプランや考え方の多様性が広がっていくことが予測される。老後のための資産形成を進めるにあたっては、社会の動向に留意しつつ、必要があれば、自助努力による資産形成のプランを変更するなど、柔軟に対応していくことが安定した資産形成につながるだろう。

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