サマリー
◆国内旅行に関する物価指数を試算すると、2023年4-6月期から消費者物価指数(CPI)を大きく上回って上昇している。人件費の上昇などを背景とした宿泊費の高騰が主因である。
◆試算した物価指数で実質化した2024年の国内旅行消費は、19年の水準を僅かながら上回った。だが年齢層別に見ると、60代以上では下回ったままである。30~50代はコロナ禍前に比べて旅行に行く人と行かない人で二分化し、60代以上は旅行に行かない人の割合が高まるという変化も見られる。
◆今後、実質国内旅行消費は増加が続くとみられる。ただし、コロナ禍からの回復局面は概ね終了したこともあり、増加ペースは鈍化するだろう。消費をより喚起するために、旅行の行き先や時期・時間帯を分散する取り組みが重要だ。金銭面の負担や過度な混雑が改善され、旅行控えを減らす効果が期待できる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
地方創生10年 人口減に歯止めをかける小規模自治体の 所得向上戦略
観光で集客し、地域資源にちなむ新商品をコトで売るエコシステム
2024年08月20日
-
2025年5月消費統計
実質消費支出は上振れも、総じて見れば前月から概ね横ばい
2025年07月04日
-
消費データブック(2025/7/2号)
個社データ・業界統計・JCB消費NOWから消費動向を先取り
2025年07月02日
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年10月貿易統計
トランプ関税の悪影響が継続。今後は米中リスクにも警戒が必要
2025年11月21日
-
2025年10月全国消費者物価
サービス価格や耐久消費財価格の上昇が物価上昇率を押し上げ
2025年11月21日
-
中国の渡航自粛要請は日本の実質GDPを0.1~0.4%下押し
今後は対中輸出などへの波及に要注意
2025年11月21日

