国内旅行消費、押し上げの鍵は「分散化」

国・自治体・企業の連携で旅行の時期を分散し費用減と混雑の緩和を

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2025年07月11日

サマリー

◆国内旅行に関する物価指数を試算すると、2023年4-6月期から消費者物価指数(CPI)を大きく上回って上昇している。人件費の上昇などを背景とした宿泊費の高騰が主因である。

◆試算した物価指数で実質化した2024年の国内旅行消費は、19年の水準を僅かながら上回った。だが年齢層別に見ると、60代以上では下回ったままである。30~50代はコロナ禍前に比べて旅行に行く人と行かない人で二分化し、60代以上は旅行に行かない人の割合が高まるという変化も見られる。

◆今後、実質国内旅行消費は増加が続くとみられる。ただし、コロナ禍からの回復局面は概ね終了したこともあり、増加ペースは鈍化するだろう。消費をより喚起するために、旅行の行き先や時期・時間帯を分散する取り組みが重要だ。金銭面の負担や過度な混雑が改善され、旅行控えを減らす効果が期待できる。

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