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両端の世代がけん引する2018年の労働市場

2018年06月04日

経済調査部 エコノミスト 山口 茜

2018年の1~3月に、就業者数は+141万人(季節調整値)と大幅に増加した。2017年の1年間で増加した就業者数が+52万人であることを踏まえると、いかに大きな数値であるかが分かる。

特に増加したのは65歳以上の高齢者と、15~24歳の若年層だ。65歳以上では+67万人(季節調整値)、15~24歳では+42万人(同)の就業者が増加した。高齢者の就労が促進される中、高齢者が労働市場のけん引役となることにそれほど驚きはないものの、若年層の就業がこれほどまでに進んだ背景には何があるのか。

左図は、15~24歳の就業者数の推移(原数値)を示している。この世代は、これまで1~3月に就業者数が大きく落ち込む傾向があった。この時期は、「卒論に時間を割くため」、「就職前の自由な時間を満喫するため」など様々な理由で学生を中心に仕事(バイトなど)を辞める人が多い一方で、それを埋め合わせるほど新たに仕事を始める人がいない時期と考えられる。

しかし、2018年の1~3月は、その落ち込みがなく、就業者数は横ばい圏で推移した。その要因の1つに、「学生バイト」の動きの変化がある。バイトを新たに始めた学生から、バイトを辞めた学生を差し引いた、学生バイトの純流入数は、1~3月の累計(原数値、以下同)で、2016年が▲5万人、2017年が▲6万人だったのに対し、2018年は+13万人であった。

特徴的な動きをしたのは1月だ。2018年は、バイトを辞める学生が2016年、17年より約10万人少なく、また、新たにバイトを始める学生も例年以上に多かった(右図)。さらに、その後2、3月に、1月の反動でバイトを辞める学生が増えるということもなかった結果、就業者数は1~3月に落ち込むことなく推移した。このような学生バイトの動きの背景には、時給が上昇していることや、人手不足の中、少ない時間・日数でも働けるようになっていることなどがあると考えられる。

これまで、就業者数の増加は、女性のM字カーブの谷に該当する世代がけん引してきた。しかしながら、2018年に入り、就業者数の増加をけん引しているのは若年層と高齢者層という年齢階層の両端の世代だ。若年層にも、学生をはじめとする未活用の人材がまだまだ存在すると考えられ、その伸びしろに期待が持てる。また、高齢者層に関しても、年金の受給開始年齢引き上げや、就労意欲を阻害する年金制度の見直し等により、今後も就労が進んでいくことが期待される。

2018年の労働市場は、両端の世代がけん引するという興味深いスタートを切った。今後どのように変化していくのか、注目していきたい。

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