2018年02月22日
持株会社体制に移行する企業グループが増えている。それに伴い、持株会社化のためのコンサルティングの問い合わせも増えているが、話を聞いてみると、「この会社は持株会社化に向いていないのではないか?」と思うケースも散見される。どのような会社かと言えば、『持株会社化する明確な理由が見えていない会社』である。
通常、持株会社化を検討する会社には、「何のためにやるのか?」という理由が明確に存在している。「M&Aを推進したいので、そのプラットフォームとしての持株会社体制が必要だから」であるとか、「異なる事業を同一の人事制度で運営することに無理が生じたため、持株会社体制のもとで複数の人事制度を導入したいから」「社長ポストや役員ポストを増やすことにより、次世代の経営人材を育成したいから」といった具合である。持株会社化にはいくつもの期待効果(=メリット)がある一方、いくつものデメリットも存在しているため、多少のデメリットが生じてもブレないくらいの明確な目的意識がある会社は、結果的に持株会社化が成功することが多い。
しかし、「何のためにやるのか?」という理由が明確になっていない会社は、持株会社化後に顕在化するデメリットに押しつぶされてしまうことがある。主なデメリットは以下のようなものである。
【持株会社化のデメリット】
1.遠心力が強まる
2.セクショナリズムが強まる
3.管理コストが増加する
グループを統合するビジョンやガバナンスの仕組みが不十分だと、“権限委譲”の名のもとにグループ各社が勝手に振る舞うようになり遠心力が強まる。また、今までは部署の壁だったものが、会社の壁となり、情報や人材といった経営資源の流動性が低下することも多い。さらに、会社の数が増えることになるので、手当てをしないと管理コストが増加してしまう。持株会社化を成功させるためには、このようなデメリットを極小化する策を検討しつつ、それらを上回るメリットが見えていることが大切なのである。
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