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実は計り知れないインバウンドの経済効果

2017年10月31日

笠原 滝平

10月18日は、近年注目度が高まっているインバウンド関連の統計公表日であった。日本政府観光局より2017年9月の訪日外客数推計値が公表された。9月の訪日外客数は228万人と9月として過去最高を記録し、1-9月期の累計で2,119.6万人と最も速いペースで2,000万人を超えた。内訳を見ると、中国や韓国、香港をはじめ引き続きアジアの国・地域からの訪日客の増加が顕著であった。背景にはビザの発給要件緩和や格安航空会社を中心とした空路の拡充などが挙げられる。

また、観光庁より公表された2017年7-9月期の訪日外国人旅行消費額(いわゆるインバウンド消費額)は1兆2,305億円となり、四半期で過去最高を記録した。1-9月期の累計では3兆2,761億円となった。10-12月期が2016年と同水準(8,922億円)だった場合、初めて年間で4兆円を超えることになる。

このように、インバウンド関連は訪問客数、消費額ともに高い成長率が続いており、日本経済へのプラスの経済効果が期待される。具体的には小売店などの売上高の増加、地方経済の活性化などが挙げられよう。これらをインバウンドの直接的な経済効果とするならば、間接的な経済効果はどのような点があるだろうか。小売店の売上高の増加に伴う雇用・所得環境の改善や、地方への人口流入などが考えられるかもしれない。

先日、あるセミナーに参加した折に、訪日旅行を通じた対日感情の改善が一部で生じていることを聞いた。このことがインバウンドの間接的だが、インパクトの大きい経済効果ではないかと直感的に感じた。国や地域によって異なるかもしれないが、多くの場合、自国で生活している限り、日常的に様々な外国人や外国の文化と触れ合うことはないだろう。しかし、一度訪問すれば多くの人や文化と触れ合うことができ、急速に理解が深まると考えられる。

ビジネスや政治など様々な世界でグローバル化が進む中、最後は人と人とのつながりで物事が決まっていくことが多いように感じる。インバウンドにより日本人や日本の文化を知ってもらうことが、将来の企業や政治の大きな取引などにつながる可能性は否定できないだろう。インバウンドの増加により直接利益を得る者だけでなく、回り回って日本経済全体にプラスの効果を与えるとなれば、誰でも当事者となりうるだろう。

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