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トランプ大統領が何を言おうが、気候変動は激化の一途

2017年01月27日

河口 真理子

トランプ大統領は着任早々TPPをはじめ前政権の政策の「ちゃぶ台返し」をやっている。その中に「パリ合意からの脱退」があげられる。彼は温室効果ガスが地球温暖化の原因というのはウソだとし、パリ合意からは脱退して米国のシェールガス開発を積極化させるという。環境推進派にとっては悪夢ともいえよう。しかし、トランプ大統領が何を言おうが、大統領令に署名しようが、加速化する温暖化現象は止めることができない。

世界気象機関(WMO)の発表によると、2016年は観測史上一番暑い年だった。パリ合意では、産業革命以前のレベルからの気温上昇を2℃以内に抑える目標を掲げたが、昨年段階ですでに1.1℃上昇している。世界的な異常気象の波は止まらない、というか激化している。

気候変動問題とは人間の社会問題ではなく、地球環境の問題である。1990年に公表されたIPCCの第1次評価報告書によって気候変動問題が国際的に認知されたが、そこには温暖化防止のため「ただちに温室効果ガスの排出量の6割削減が必要」とある。地球の要求とは27年前にただちに6割削減することだった。

しかし人間は、それから7年後に採択された京都議定書において「先進国は2008年~2012年の平均値で1990年比5%削減」という極めて緩い対応しかとれなかった。国際政治や経済など「人間の都合」では精一杯だったのかもしれない。しかし地球の都合は?

年明け早々、欧州では大寒波によりホームレスや難民が多く死亡し、イタリアでは大雪の中での地震でホテルが埋まり、米国南部では21日から22日にかけて発生した大規模な竜巻で18人が死亡し大きな被害が出ている。

西日本でも23日からの大雪のため、福知山のイチゴ農家のハウスが倒壊したり、鳥取県では数百台の車が立ち往生した様子が報道された。SNS上でも鳥取行き飛行機が引き返したとか、鳥取に陸路で向かったら岡山で雪にハマったなどの投稿が相次ぎ、大雪被害の大変さが伝わってきた。東京は寒いが好天に恵まれたので切迫感はなかったが、次に関東が大雪に見舞われたらどうなるだろう。

この地球規模に広がる異常気象の厳しさは、いつまでも経済とか国際関係とか、言い訳ばかりしてちゃんと行動しない人間社会に地球が怒り始めた兆候のように思えてならない。せめて個人としては、大雪や台風などの予報が出た時は、当面の食糧や燃料を自宅に確保し、出かける際は防寒セットや食糧などを常に携帯する、そんな自衛手段が必要ではないか。

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