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ゆとりですがなにか

2016年05月09日

経済調査部 エコノミスト 久後 翔太郎

筆者が毎週楽しみにしているドラマに日本テレビ系列の「ゆとりですがなにか」がある。「ゆとり第一世代」と称される1987年生まれの主人公たちが社会で直面する葛藤を描いており、まさに“タメ”(同い年)である筆者にとっても共感できる部分が多い。

そんなゆとり世代の特徴として、よく指摘されるのは、消費行動の変化である。すなわち、いわゆるバブル世代が車や時計といった高級品を欲したのとは対照的に、物欲のなさがこの世代の特徴であると言われている。確かに、自身の消費行動を振り返ると、車も高級時計も持っておらず、こうした指摘は当てはまる。

ただし、サービスへの支出額は大きい。外食への支出はもちろん、インターネットを通じたサービスも頻繁に利用する。例えば週末には、有料動画配信サービスで映画やドラマを見て過ごすことが多いし、旅行などの手配もすべてネットで済ませてしまう。また、スマホゲームに夢中な友人は課金アイテムを利用することでゲームを楽しんでいる。こうしたサービス支出の拡大は、「車」や「高級時計」と違い目に見えない。このことがゆとり世代の“物”欲のなさというイメージを助長している面もあるだろう。

マクロ統計的にはこうしたネット消費の正確な捕捉が課題となっている。例えば、消費状況調査では2015年からネットショッピングの内訳についての調査を行っている。さらに、商業動態統計では、「無店舗小売業」という分類が最近加えられた。ただし、こうした統計の変更を受けても依然捕捉できていない部分は多く、現時点ではネット消費の実態を把握するのは依然として困難だ。しかし、内閣府がビッグデータを使用した新たな消費統計を作成する方針を示すなど、消費動向の正確な把握に向けた努力は続けられている。こうした努力の結果、今後はネット消費の統計上の捕捉がより一層進み、ネット消費の動向を正確に把握することができるかもしれない。

そうした世界では、もしかしたら、“物”欲がないとされるゆとり世代の消費行動に対するイメージは大きく異なったものとなる可能性もあるだろう。

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