2015年02月09日
日本銀行が2013年に量的・質的金融緩和を導入し、あと2ヶ月程度で2年が経過しようとしている。導入当初は「2年で2%」という言葉が強烈な印象を与えたが、実際には「3年で2%」へと徐々にガイダンスを変更してきた。足下で、物価上昇率は原油価格下落を受け低下傾向にあるが、エネルギーなどの影響を除いたコアコアCPIで見れば、前年を上回る推移が続く見込みであり、デフレ脱却が近づいてきている。
過去を振り返ると、デフレの認識は時代によって変化してきた。
90年代後半のデフレの認識は、「モーニング娘。」が不況下であっても恋はインフレと歌った「LOVEマシーン」(つんく作詞)によく体現されている。「LOVEマシーン」が発表された1999年といえば、物価下落への懸念が強まる中、日本銀行が本格的にゼロ金利政策を導入した時期である。奇しくも、「LOVEマシーン」が発表された1999年9月以降、コアCPIの前年比はマイナス圏の推移が定着し、実体経済は“インフレーション”とはならなかった。その後、日本銀行は消費者物価指数が前年割れを続ける状況下でゼロ金利の解除を決定したが、この背景にはデフレの定義が景気と関連付けられていたことが挙げられる。すなわち、当時のデフレの認識は、景気後退に伴う物価下落であったことから、景気が一時的に持ち直したことを理由に利上げに踏み切ることができた。
その後、「持続的な物価の下落」がデフレの定義として用いられ、この定義が現在に至るまでデフレの定義として用いられている。
ただし最近は、デフレという言葉は賃金との関係で言及されることが多いように思う。物価と賃金は密接に連動しており、どちらか片方のみが上昇(または、低下)し続けることは困難であるためである。黒田総裁が2014年末に行われた講演の中で、「『2%』への招待状」というタイトルのもと、デフレ脱却のために賃金の上昇が不可欠であることを説いたことは、物価と賃金の関係を重要視している姿勢の表れと言えるだろう。
時代によって微妙に変化してきたデフレの考え方は、政策判断に影響を及ぼすことで日本経済に大きな影響を与えたのかもしれない。現在のように「持続的な物価の下落」という分かりやすい定義が今後変化していく可能性もあるだろう。適切なデフレの定義のもと、最適な政策が打たれることを通じて、“世界がうらやむ”日本経済への復活を願うばかりだ。

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