選挙権の義務化
2014年12月04日
大半の日本人は選挙での投票を権利と考えているが、世界には投票を法律上義務付けている国もある。オーストラリア、ルクセンブルク、ベルギー、シンガポールなどの諸国で、例えばオーストラリアは投票しなかった有権者に罰金(約2,000円)を科しており、投票率は90%台で推移している(ちなみに、オーストラリアの投票制度は世界の中でも先進的で、日本が江戸時代の1856年に男子普通選挙権(日本は1925年)が、1892年に女性参政権(日本は1945年)が採用されている)。
選挙には多額の国費(2012年の衆議院選挙では約700億円)が投じられているが、投票率は年々下がり、2012年の衆議院選挙で59%、2013年の参議院選挙では53%となった。年齢別の投票率をみると、2012年の衆議院選挙では20歳代が38%、60歳代が75%、2013年の参議院選挙では20歳代33%、60歳代68%、という結果になっており、若者の投票率は高齢者の半分にとどまっている。
投票又は不投票の結果が、現在の投票権者だけに影響するのならば、投票率の低さに目くじらを立てることもないかもしれない。投票しないことで選挙民の意思が正確に政治に反映されないことも自己責任といえるからである。しかし、政府債務残高が1,000兆円を超えて、さらに増え続けていく我が国の場合、GDPの2倍を超える借金の山は、投票しなかった若者だけでなく、選挙権をもたない子供やこれから生まれてくる子供たちに、実質的に増税、年金や医療サービスなどの社会保障の削減を強いることになる。親の借金は相続放棄できても、国の借金からは金額の多寡はあるが何らかの負担を強制され逃げることはできない。
多額の借金を残していく我が国の国家予算は、現在の世代だけでなく将来の世代にも拘束力を持つ。民主政治の正統性を担保するためには、若者の投票率を引き上げるべきであり、投票の義務化を含め投票率向上のための方策を検討すべきではないだろうか。
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