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世界のヘッジファンド動向と期待される日本ファンドへの資金流入

2011年02月23日

政策調査部 主任研究員 伊藤 正晴

順調に成長が続いてきた世界のヘッジファンドは、2008年のリーマン・ショックを契機とする世界的な金融危機の影響で、ファンド数が大幅に減少、運用資産額も急速に縮小した。Eurekahedge(※1)の推計では、金融危機前の08年6月には1.95兆ドルに達した運用資産額が、09年4月には1.29兆ドルにまで減少したのである。しかし、09年春以降は、好調な株式市場などからヘッジファンドのパフォーマンスが大きく改善、資金の流入も続くことで、ヘッジファンドは再び成長を続け、10年末の運用資産額は1.67兆ドルへと回復している。

ヘッジファンド全体の資金フローは、08年後半から09年初めにかけて大規模な資金流出が続いており、金融危機がヘッジファンドに与えた影響の大きさがよくわかる。しかし、その後は金融危機前の06年や07年より規模は小さいが、ほぼ資金の流入が続いている。また、リターン指数も同様に、金融危機による大幅な下落はあったが、09年以降は右肩上がりとなっている。金融危機後、ヘッジファンドは再び成長を続けているのである。

金融危機前、日本に投資するヘッジファンド(日本ファンド)の動向は、世界全体のヘッジファンドとは大きく異なる様相を示していた。06年後半から08年半ばまで、世界のヘッジファンドには資金が流入していたが、日本ファンドはこの間、資金の流出が続いていたのである。その要因としては、日本ファンドのリターン指数がほぼ横ばいとなっていたことがあげられる。また、その背景には日本株のパフォーマンスの不振があり、株式市場の動向が日本ファンドへの資金フローに影響を与えていることがうかがえる。

日本ファンドも金融危機の影響により大幅な資金流出と、リターン指数の下落に見舞われた。しかし、その後の資金フローをみると、09年後半や10年には資金が流入している。パフォーマンスの不振が資金流出を招いた06年後半から07年の状況とは逆に、株式市場の上昇とともにヘッジファンドのリターン指数が上昇し、それが資金の流入につながっているのである。日本株が10年11月からほぼ上昇を続けていることや好調な企業業績などを考えると、今年も日本に投資するヘッジファンドへの資金流入が期待できよう。


(※1) Eurekahedgeのデータは、各運用機関及び外部の情報を元に作成しております。Eurekahedge及びその関係者は情報の正確性、完全性、市場性、仮定、計算などについて保証を行っておりません。情報の閲覧・利用者は、データの使用に際して、情報における全てのリスクを認識し、負う必要があります。Eurekahedgeではデータ及び情報に基づくいかなる理由の損害に関しても責任を負いかねます。データは、特定のファンド、有価証券、または金融商品、会社への投資に関する勧誘或いは販売勧誘を構成するものではなく、また、独立、金融機関、専門家としての助言として解釈されるべきではありません。

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政策調査部
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