3D映像技術の発展で、新たなビジネスチャンスが生まれる!

RSS

2010年04月20日

  • データアナリティクス部 主任コンサルタント 耒本 一茂
昨年12月に公開された3D映画「アバター」が記録的な興行成績を記録し、3Dブームが巻き起こっている。その影響は映画館に留まらず、テレビ、ゲーム、インターネットなどのメディアへと水平展開が進むことが期待される。3D化の流れはソフト面にも波及すると考えられ、コンテンツ業界にも革新的なビジネスモデルが登場することが予想される。

では、この3Dブームは日本の映像コンテンツ関連企業にとってビジネスチャンスとなりうるのだろうか?既存の3D映像メディアは、映画館が上流に位置し、業界全体を盛り上げつつある。通常の2D映画より割高な価格設定にも関わらず来場者は増え、同じ映画を異なる3D方式で比較してみる人もいるほどである。2010年には主要テレビメーカーから3D対応テレビが発売されることで、より多くの消費者が顧客になると考えられる。日本にはもともと世界的にも注目されるテレビ向けのコンテンツが数多くあり、これらを3D映像に変換することで、再び収益化するチャンスが生まれる可能性が高い。

2D-3D映像変換技術が進歩し、低コストで3D作品が制作できれば、日本のアニメ作品の権利を保有する企業などにもビジネスチャンスが到来することとなろう。既存の映像コンテンツ関連企業の3Dへの参入に加えて、先進的な2D-3D映像変換技術を持つベンチャー企業の登場も期待される。また、3D映像広告にも利用されるようになれば、広告業界にも新たな事業機会が生まれる可能性もある。

これまでの2D主流の映像コンテンツ業界を振り返って見ると、違法に複製されたコンテンツの一部が流通するといった課題があった。新たな3Dビジネスでも、セキュリティ面で複製できないような仕組みづくりが急務となろう。日本経済の活性化のため、今後の3D映像技術の発展がもたらす、新たなビジネスチャンスに期待したい。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。

耒本 一茂
執筆者紹介

データアナリティクス部

主任コンサルタント 耒本 一茂