新興国市場の開拓に向けたビジネスモデルの改革
2009年12月24日
景気改善により消費者の不安は払拭される可能性はあるものの、少子高齢化や環境意識の高まりといったトレンドにより、国内市場の楽観的な拡大は期待しにくい。成長のための新たな市場として、新興国市場の開拓が必要となる。その際、国内市場(あるいは先進国市場)の仕様を前提とせず、当該市場の顧客に向き合い、真に求められているものは何かを入念に構想し、品質・付加価値・価格の面で顧客に受け容れられるものを作り出すことがカギとなろう。既に、画像センサーの機能を抑えた100ドル以下のデジタルカメラ、現地の生活習慣に合わせて独特の感触をもたせた洗剤など、市場開拓に成功した事例がみられる。
競争力を備えた「もの作り」は、生産現場の活動だけで達成することは難しい。営業改革や業務効率化と密接に関係しており、これらが一体となって構想・改革されてこそ、効果を挙げることができる。右肩上がりが想定された時期には手付かずだった重要課題やリスクについて、新政権による「事業仕分け」さながら、あぶり出しを行い対策に着手することが求められる。
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