サマリー
◆中国共産党・政府が育児手当の導入や消費ローンへの財政による利子補給など、消費刺激につながり得る政策を矢継ぎ早に発表している。しかし、結論を先にいうと、政策は力不足であり、効果は極めて限定的であろう。むしろ2025年5月に発表された修正「党・政府機関節約奨励・浪費反対条例」(倹約令)による消費下押しの方がインパクトは大きい。綱紀粛正は多分に政治的な側面があるのだが、節約志向が高まる中で、なぜ今なのか、理解に苦しむ。
◆米国と中国は2025年8月12日までとされていた上乗せ関税(24%)の停止期限をさらに90日間延長して、11月10日までとすることで合意した。中国は米国にとって最大の貿易赤字計上国であり、今後の交渉は難航も予想される。交渉の結果次第では一時停止中の24%分の発動もあり得る。さらに、トランプ大統領はロシア産原油の主な輸入国であるインドと同様、中国に二次関税(インドの場合は25%)を課す考えを示しており、対中追加関税は現状の30%、上乗せ関税一時停止分24%と合わせて79%程度に達することも考えられる。一方で、最も楽観的なシナリオは、米国からの輸入増加や米国債の購入などのディールが成立し、日本と同様の15%に+αということになるのではないか。先行き不透明感は依然として強い。
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