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再び活発化した中国の液晶投資

2009年11月18日

杉下 亮太

中国の液晶投資が再び活発化している。04年から06年にかけて、中国では3棟の第5世代工場が立ち上がり、モニター用液晶パネルの生産を中心に行なってきた。しかし、その後投資は停滞し、中国メーカーによる液晶パネル出荷数量シェアは08年実績で3%にとどまっている。

しかし、ここにきて6世代と8世代を中心とする液晶工場プロジェクトが相次いでいる。京東方は安徽省合肥市に中国初となる第6世代工場を建設中である。南京中電熊猫もシャープから第6世代工場の設備を購入することになっている。また、LGディスプレイは広州での第8世代工場建設を計画しており、TCLも深超光電と第8世代工場の建設計画を発表した。そのほかにも龍騰光電や京東方が第8世代工場を計画しているとされる。

中国が世界最大のテレビ市場であり、かつ09年に入ってからCRT(ブラウン管)から液晶へのシフトが急速に進み始めたことが、中国の液晶投資活発化の背景にある。08年後半の液晶パネル価格下落によって液晶テレビとCRTテレビの価格差が縮小し、CRT中心の品揃えだった中国系ブランドが液晶テレビの市場投入を大きく増やしたためである。実際、中国のテレビメーカーとして知られる創維は、テレビ出荷台数に占める液晶構成比が単月ベースで8割を超えた。

このように中国のテレビ用液晶パネル需要は急拡大しているが、現在の中国の液晶工場は第5世代であるため、テレビ用には適していない。第6世代は26インチや37インチ、第8世代工場では32インチや46インチなどのパネル供給が可能となる。

ただし、液晶は供給過剰と不足を繰り返してきた産業である。これだけ新規投資計画が持ち上がると、量産開始が見込まれている11-12年に供給過剰となる可能性がある。むやみな投資は避けるべきと考える。

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