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地球環境問題と確定拠出年金

2009年11月12日

鈴江 正明

民主党は、地球温暖化対策として、温室効果ガスの排出量を2020年までに1990年比で25%削減すると表明している。この25%削減が実現可能かどうかは別にして、今後ますます地球環境問題が取り上げられることは間違いないであろう。次世代に負の遺産を遺さないためにも、もっと正面から取り組むべきである。

こういった観点に立てば、確定拠出年金(日本版401k)はもう少し注目されて良い制度ではなかろうか。自己責任のもと自分自身で運用した年金資産をそのまま受け取る制度であり、世代間扶養の考えが全く入ってない制度でもある。言い換えると、その人その人ごとにきれいさっぱりと清算されて次の人はゼロからのスタートとなるため、会社の後輩など若い人たちに余分な心配をかけることのない制度である。

しかしながら、8年前にスタートした確定拠出年金の現在の加入者数は約350万人と、かなり苦戦を強いられている。加入者自身が運用リスクを負わなければならないことが障害のひとつであろうが、そのメリットが加入者に理解されていないような気がしてならない。

確定拠出年金は選択肢の多い自由な制度である。ラインナップされた運用商品であれば、何を購入しても自由だし、運用環境が悪ければ、定期預金などの元本確保型商品を購入して一時避難すれば良い。継続して運用しようと思えば退職しても70歳までは運用できる。また、そのように自分自身で運用した年金資産の受け取り方についても、年金(通常は5~20年の有期年金)、一時金、またはその併用と3つの方法の中から選択することができる。加入者にとっては使い勝手の良い制度であるが、悲しいかな、この使い勝手が正当に評価されていないのが実情である。

適格退職年金の廃止期限である2012年3月が迫るなか、国際会計基準において企業年金の積立不足変動額を即時にP/Lに反映させることが検討されるなど、確定拠出年金には現在追い風が吹いている。これを機に確定拠出年金が普及し、これまでの出遅れを一気に取り戻せるよう期待したい。

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