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子ども手当2万6千円に賛成

2009年09月18日

直接給付は実感がわく

2009年3月27日付で、「子供1人10万円政策に賛成」というコラムを書かせていただいたが、その後に気付いたことが一つある。自民党が昨秋打ち出した「定額給付金」が、4月に我が家の銀行口座に振り込まれた。給付を受けるまでは、あまり感じなかったが、実際お金が振り込まれた通帳を見ると、なぜか正直嬉しい気持ちと、何に使おうかという消費マインドを若干くすぐられる感覚を覚えた。

以前に「定率減税」という制度があったが、その時はこのような実感は個人的には皆無だった。「定額給付金」が直接給付だったのに対して、「定率減税」が税金還付という手段だったからだろう。果たして世の中の人の何割が「定率減税」の制度を理解していただろうか。また、理解していたとして、そのうち何割の人がその「ありがたみ」を実感して消費マインドをくすぐられたであろうか。同じお金を配るにしても、その手段によって、受け取る側の感じ方は大きく変わってくるし、その気持ちの違いによって、まさしく「景気」に与える影響も違ってくることを実感した次第である。

そう考えると、子ども手当2万6千円のプラス効果は、思った以上にあるのではないかと筆者は考えている。子ども手当は、一回限りの「定額給付金」と違って、継続性があり、生活を支える安心感もある。定期的に、通帳にお金が振り込まれているのを確認するたびに味わう実感は、体験してみると、予想以上に気持ちを前向きにさせる効果があると思われる。

中途半端な所得制限はすべきでない

「子ども手当」には、所得制限は設けるべきではないと考える。「定額給付金」の時も、所得制限の議論が迷走して、政策がイメージダウンしたのは、記憶に新しい。また、所得でいくらまでの人がもらえるかという線引きも現実的には難しい。そもそも既に、所得税や住民税で所得に応じた負担をしているのだから、「子ども手当」はシンプルに所得制限なしで行くべきだと思う。財源が厳しいのはわかるが、子どものための手当であるので、親の所得にかかわらず、「定額給付金」と同様に一律支給するのが望ましいであろう。ちなみに、先進国でも、親の所得制限を課している国は、ほとんどない状況である。

子どものためにお金を使おう

「子ども手当」という目的で支給される手当は、できるだけその目的に準じて使ってほしいものである。「子どもにおいしい物を食べさせてあげよう」「家族でたまには、遊園地や旅行やドライブに出かけよう」「子どもの教育や習い事や体験学習などに少しお金をかけよう」などである。そのような消費が増えれば、外食・レジャー・観光・教育・福祉などのサービス業を中心とした内需を刺激し、結果として経済にもプラスに作用してくるであろう。また、家族の絆が高まり、社会的に良い影響が出てくる可能性もある。

公共事業にお金を配分するばかりでは、明るい未来は描けない。同じお金を使うなら、子どものためにお金を使おう。それが結果として、内需を喚起し、変動の激しい外需を補完して、景気の安定化にも寄与する。また、それらが長期的には少子化問題にもプラス材料となり、国家戦略として、将来にもつながって来るであろう。

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