市場は長期的な視野を持っているか
2009年09月01日
衆院選は、事前の予想通り、民主党の地滑り的勝利で終わったが、両党ともに財政赤字を拡大するバラマキ公約合戦だった。もっとも、自民党は景気が良くなったら増税するといっている(財政赤字を拡大して景気を良くしてやったのだから、後から増税するのは当然という自民党の言い分はずいぶん恩着せがましく聞こえると私は思っている)。また、民主党も全体の支出を増やさず国民に約束した支出を賄うと言っている。だから、両党とも、無責任なバラマキではないと言えるかもしれない。しかし、両党とも、過去の財政赤字の後始末までは考えていないようだ。
こういう状況を見て、政治とは近視眼的なものだと言う市場関係者もいる。では、市場は長期的な見方をしているのだろうか。もし、財政赤字が将来のインフレや償還不能を示すものであるなら、今、そのリスクプレミアム分だけ長期国債金利が上がってしかるべきだ。しかし、長期金利は低いままだ。この低い金利の中にすでにリスクプレミアムが含まれているとは、私には信じられないし、また、そう主張する人もいないようだ。
すると、市場も近視眼的であるか、あるいは、財政赤字は大した問題ではないかのどちらか、または両方ということになる。市場も近視眼的であることは、今回の世界経済危機を見れば明らかだ。長期的には価値のなかったサブプライム住宅ローン証券に、リスクに合わない高い価格を付けていたのだから。国債という証券についても、そうしているのかもしれない。しかし、財政赤字がそれほど大きな問題ではないという可能性もある。まず、財政赤字は、無駄な支出を減らす圧力として働く。自民党も民主党も、政府支出の無駄の排除では一致していた。これは当然に経済効率を高め、将来の償還能力を高めるだろう。また、国債の利払いは日本人の税金でなされるが、その利子を受け取っているのも日本人である。すると、財政赤字は、たいしたことではないのかもしれない。たいしたことなら、今、金利が上がらなければならないはずだ。
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