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日米景気のポイント

2009年08月31日

野間口 毅

内閣府が8月17日に発表した4-6月期の実質GDP速報値は前期比年率3.7%増と、5四半期ぶりのプラス成長に転じた。アジア向けの輸出が伸びたほか、定額給付金による所得の増加やエコカー減税及びエコポイントによる耐久財消費の増加を背景に、個人消費が3四半期ぶりのプラスに転じた。しかし、7月の景気ウォッチャー調査では先行き判断指数が前月比で7カ月ぶりに低下し、「天候不順で夏物衣料などの売れ行きが落ち、個人消費の下振れ懸念が強まっている」と伝えられた。国内の個人消費については、雇用情勢の急速な悪化や、この夏のボーナスが過去最大の下落率となること、さらに新型インフルエンザの影響も懸念されよう。

一方、米FRBは8月11~12日に開催したFOMC後に発表した声明で「経済活動は横ばいになっている」という表現で景気判断を上方修正し、米国経済が底入れしつつあるとの認識を示した。また、米経済専門誌ブルーチップが発表した有力エコノミスト調査によると、エコノミストの9割近くが米国の景気後退は9月までに終わると回答した。しかし、米国でも7月の小売売上が前月比で予想に反して減少し、「低燃費車への買い替え支援があった自動車以外は家電やガソリン販売など幅広い業種が弱く、雇用情勢の弱さなどが家計を圧迫している様子を映した」と伝えられた。

日本の4-6月期のGDPが前期比で5四半期ぶりのプラスに転じ、米国のGDPも7-9月期に同じく5四半期ぶりのプラスに転じるとしても、特に個人消費の先行きは日米とも不透明と言えよう。ただし、米国の景気刺激策(総額7872億ドル)の50%以上は2010年度(2009年10月~2010年9月)に歳出される予定で、8月14日時点での歳出実績(減税を除く)は景気刺激策総額の約10%に過ぎない。米国で景気刺激策の効果が出るのはこれからが本番とも言えよう。

一方、日本では、当コラムが掲載される時点では8月30日投開票の衆院選の結果が判明しているだろう。新政権がいかなる枠組みになるにしても、持続的な景気回復に対する期待感が膨らむようなメッセージが発信されることを期待したい。

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