公益法人の移行期間は5年間で間に合うのか
2009年08月18日
新たな公益法人制度がスタートして8ヶ月が経過する。旧公益法人(以下、特例民法法人)の移行認定、一般法人への移行認可の答申数は、8月2日現在で移行認定の処分が24件(国・都道府県公式公益法人行政総合情報サイト“公益法人information”参照)に及び、移行認可処分が8件(同)、昨年12月1日以降に一般法人を設立した法人の公益認定処分が7件(同)となっている。
このように認定、認可は一見、順調に行なわれているようにみえるが、特例民法法人の全体の数を考えると状況は違ってみえる。移行認定・移行認可の処分総数32を最初の処分がでた今年3月から5ヶ月で割ると月6.4法人のペースで処分が行われたことになる。仮に現時点で残っている特例民法法人の数を24,000とすれば、すべての特例民法法人が現在のペースで処分を受けるには約3,750ヶ月、313年弱かかる計算になる。
8月以降、ペースを上げて、期限である平成25年11月30日に間に合わせるとすれば、24,000を残された52ヶ月で割った約462件の移行認定・移行認可を月々行なわなければならない。さらに任意団体やNPO法人(非営利特定活動法人)などが新たに一般法人を設立して公益認定を申請した場合の公益認定処分も加わり、また移行期限間際になって駆け込みで申請数が増えることも想定されることから、その頃には週200件程度のペースで委員会・審議会の答申と行政庁の処分を行う必要がでてくるとみられる。
解散や他の法人格取得を目指す法人があるとしても、内閣府と都道府県の合計48のなかの限られた人数でこのような作業を行なうというのは、あまりに現実離れしている。このことから、移行期間の延長は十分考えられる。ただし、移行申請を目指す特例民法法人としては、このことを理由に延期を前提としたスケジュールを組むことは、解散のリスクを高めることになるので、当然のことながらすべきではなかろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
上場オーナー企業と公開買付制度・大量保有報告制度の見直し
2026年5月1日に大量保有報告書等の提出義務が発生する場合も
2026年05月15日
-
デジタルアイデンティティ・デジタルクレデンシャルをめぐる取組みと実装技術の論点整理(第1部)
デジタルアイデンティティの基本像と、EUDIウォレットにみる制度化・実装動向
2026年05月14日
-
熊谷亮丸の経済・金融 Foresight 何故、わが国では潜在成長率が低迷しているのか?
高市政権は成長戦略を強化する方針だが、①労働、②資本、③TFP(全要素生産性)という3つの要素をバランス良く底上げする必要
2026年05月13日
-
AIが変える議決権行使助言業
中立性・客観性確保のための利用を訴求へ
2026年05月13日
-
中東リスクがASEAN進出企業に与える影響の差は、どのように生じているか?
2026年05月15日

