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成長戦略をどうする

2009年08月12日

リサーチ業務部 リサーチ業務部 担当部長 小林 卓典

8月30日の総選挙が近づき、各政党のマニュフェストが出揃ってきた。景気、雇用、消費税、医療・社会保障制度、地方分権、少子高齢化、環境問題など、各政党の政策メニューは多岐にわたるが、最重要の課題は、やはり日本経済の成長戦略である。

非正規雇用が増加し、格差是正への関心が高まるなか、所得再分配は、確かに重要な政策課題である。しかし、経済成長によってパイが拡大しない限り、パイの切り分けをいくら工夫したところで、教育、医療、介護、子育て支援、地方再生など、国民の要請に応えることは結局のところ難しい。成長戦略を欠いた所得再分配の議論は、国民負担を再配置するだけの希望に乏しいものになる。

高齢化する日本経済が、外部からのショックに対し、如何に脆弱であるかを今回の不況は示した。幸い景気は持ち直す方向にあるが、頼みとしてきた米国は過剰消費体質を修正する途上にあり、早期に活力を取り戻すことは望みがたい。代わって新興国が世界経済のけん引役となり得る期待もかかるが、縮小した世界貿易が金融危機前の水準に復元するにはかなり長い時間を要するだろう。輸出を経済成長の源泉としてきた日本の立ち位置は難しい。

人口減少下の成長戦略はかなりの難問には違いない。しかし、今ほど成長戦略が求められる時期もめったになく、仮にどの政党が政権をとったとしても、真正面から成長戦略に取り組み、停滞を打破してもらいたいものだ。

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