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バラマキは悪くない

2009年08月03日

原田 泰

定額給付金や児童手当などは、バラマキであるとして評判が悪い。しかし、なぜバラマキがいけないのだろうか。実は、財政政策を不況対策として使うのなら、バラマキ以外に方法がない。

今回の不況対策を考えると、まず、仕事と住宅を一挙に失った人を助けるために、失業保険に入っていない人にもなんらかの手当をすることに反対する人は少ないだろう。しかし、雇用保険に入っていなかった人を、入っていた人よりも優遇する訳にもいかない。すると、それほど多くの予算を使うことはできない。過去最大15兆円の景気対策を行うとすれば、従来型の公共事業の復活ということになってしまう。それに便乗してアニメの殿堂も出てきたわけだ。

時間があっても賢い支出のできない人々に、景気対策のように時間がないときに支出させれば、賢くない支出のオンパレードになってしまう。それよりもバラマキの方がマシではないだろうか。そもそも、失業しにくい正規社員は雇用保険に入っているが、失業しやすい非正規社員は雇用保険に入っていないというヘンな制度を作り、それがヘンだと分かった今になっても、まともな制度設計の議論ができない人々に、賢い支出などできるはずがない。

私は、景気対策は、法人税と所得税の減税で行うのが一番良いと思うが、大企業優遇、金持ち優遇との批判があるだろう。それなら、一律に配っても、子供の数に応じて配っても、悪くはない。

膨大な財政赤字を抱えているときに減税などとんでもないという議論があるだろうが、財政支出を増やしても赤字が増えるのは同じである。不況でも財政政策は使うなというのなら首尾一貫はしているが、従来型公共事業は良くてバラマキが悪いと主張するのは根拠がない。

ばら撒かれたお金は、国民が自分で考えて使うことができる。しかし、政府がお金を使えば、国民が自分で考えて使えるお金が減ってしまう。国民が自分で考えて使えるお金が増えるバラマキの方が良いに決まっている。

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