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金メダルしか、いらない!

2009年02月23日

中島 節子

北京オリンピック、「野球」は金メダルを期待されながら、日本はどのメダルも取ることができなかった。

アジア予選、韓国とのあの死闘で日本が勝ったのは本当に痛快だった。この勢いでオリンピックもいけるんだ、と期待し続けていただけに残念で、残念で、たまらなかった。
「残念」
試合結果を毎日気にしていたA部長なら、この落胆をわかってくれる、と思いきや
「そんなもんさ」
の一言。あれ、試合中はあんなに熱が入っていたのに、そんな冷めた言い方。

「金メダルしか、いらない」
私はこれを言い切った、言い切ってくれた星野監督を応援していたのかもしれない。
オリンピック前になるとマスコミは、選手なら誰でも、手当たり次第に褒めちぎるが、それは不安の裏返しのよう。本当は半信半疑で、インタビューする方もされる方も歯切れが悪く、見るに(聞くに)耐えないこともしばしばだった。

「金メダルしか、いらない」
でも言ってほしかったんだ、誰かに。ダメかもしれないけど、自信をもって言ってくれたらなんとかなるような気がしていた。日本は金メダルを目指す国なんだ、と。
「金メダルしか、いらない」
それは、日本の最後の防波堤だったような気がする。

米国発の金融危機で日本経済の防波堤は決壊し、派遣切り、人員削減、操業停止、業績下方修正など、流れがとどまらない報道に国民心理は底なし沼へまっしぐら。日本全土が下へ下へと引っ張られていくようだ。

しかし、景気は心理に左右される部分も大きい。消費者がどのような消費「態度」を取るかは、消費者が収入の増え方や雇用環境をどのように「意識」しているかにかかっている。企業経営者は難局を切り抜けようと、必死で試行錯誤している。雇用を確保しようと労使が協力を始めている企業もある。

3月にWBC「ワールド(world)・ベースボール(baseball)・クラシック(classic)」が開幕する。日本は前回の優勝国だが、打倒日本、で向かってくる各国に対して、日本に何のアドバンテージもない。実力も相手の方が上かもしれない。でも日本はあくまでも二連覇を目指す。
「金メダルしか、いらない」
見栄でも、カラ元気でもいい。思わなければ、言わなければ、始まらない。
「銅メダルでもうれしい」
なんて言ってはいけないのだ、こういう瀬戸際には。

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