財政政策と金融政策の単純な真実
2009年01月08日
財政政策で今ばらまいても、いずれ増税すれば、将来世代のことを考えた責任ある財政政策になると、一部の人は考えているらしい。しかし、なぜ増税するかといえば、現在の高齢者のための予算が足りないからだという。そうすると、現在の高齢者に配るために、数年後の勤労世代に増税することになる。これがどうして将来世代(普通、15-30年先のことと考えると思う)のことまで考えた責任ある財政政策になるのだろうか。現在の高齢者に配ってしまえば、将来の高齢者(現在の勤労世代である)に配るお金はない。将来には、また増税しなければならない。
数年先の増税を、将来世代のことを考えた責任あるものとするためには、その増収分は国債の償還に使わなければならない(国債は国から見れば借金だが、それを持っている国民から見れば財産なので、国債が本当に国民の負担になるのかという大問題があるのだが、ここで議論する余裕はないので、負担であるとしておく)。しかし、増税の増収分はすべて国の借金の返済に使うべきだと主張する人は誰もいない。
金融政策とはお金の量をコントロールすることである。円高が進んでいるが、円高を阻止する方法はある。それに対して、円安を阻止する方法は究極的にはない。円高を阻止するには、ドルを円で買えばよい。自国通貨は印刷すれば良いのだからいくらでも増やすことができる。いくらでも作れる円でドルを買えば、いずれ円高は収まるだろう。一方、自国通貨の下落を避ける方法は究極的にはない。円安を阻止するためには、ドルで円を買わなければならないが、日本はドルをいくらでも作ることができないからだ。
97-98年のアジア通貨危機のとき、各国は外貨準備のドルを使って自国通貨を買い支えた。しかし、買い支えでドルを失ったとき、アジアの通貨はさらに急落した。アジアにはいくらでもドルを作ることなどできないからだ(今回の危機ではアジアは利口になって、外貨準備を持ったままにしている)。
意味のある議論するためには、単純な真実に基づく必要がある。
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