液晶パネル需給の本格的な改善は10年か
2008年10月10日
| 08年7-9月期の液晶パネル価格下落は、想定を上回る速度だった。大和総研ではPC用パネルで10%台後半、テレビ用パネルは一桁台後半の下落になると予想していたが、実際にはPC用パネルが20%台半ば、テレビ用パネルは10%台半ばの下落となった。6月末に顕在化した在庫調整によって、多くの液晶メーカーが7月半ばから稼働率を引き下げたが、その間にも需要見通しが悪化したため、価格下落に歯止めをかけることができなかったものと見られる。 足元では液晶パネル市況は落ち着きを取り戻している。PC用液晶パネルは過去1ヶ月間、価格は横ばいで推移している。テレビ用はまだ下がっているものの、下落幅は縮小した。消費減速が懸念される状況ではあるものの、季節的には需要が増えるタイミングであり、また7月半ば以降に多くの液晶メーカーが実施した稼働率の引き下げによって在庫調整が進んだと見られることが背景にある。また、PCパネルの一部についてはキャッシュコスト近辺まで価格がすでに下がったと推測され、液晶メーカーとしても一段の値下げ余地がなくなってきたという面もあるだろう。 しかしながら、年末商戦向け出荷のピークは過ぎつつある。液晶パネル市況は近く再び軟化し、下落局面は09年春までは続く可能性が高いと考えている。その後、09年後半にかけての時期は、液晶メーカーが稼働率を抑制するのであれば、季節的な需要増加によって液晶パネル価格はいったん安定化する局面もあるだろう。ただし、09年は液晶メーカー各社の新工場で量産開始が相次ぐ見通しとなっている。一部では09年の生産能力拡張計画を一部遅らせ始めているものの、大幅に液晶パネル需給が改善するまでには至らないと考えている。液晶パネル需給の本格的な改善は10年になるというのが現時点での予想である。 |
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
一括取得型自己株式取得(ASR)入門
ASRに関する基本的な事項をQ&A形式で解説
2026年10月16日
-
「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ」における金融経済教育に関する記述
金融経済教育関連に限ると、大幅な拡充は行われない方向性か
2026年10月16日
-
日本の長期金利、2035年に5%台の可能性
2035年に3.5~4.2%程度で、海外保有拡大で1%pt超の上乗せも
2026年10月16日
-
なぜ企業は同じ情報を何度も提出しなければならないのか
公的統計のデジタル化を問う①-負担軽減の「効果」
2026年10月16日
-
成長投資の先にあるもの ~AI時代に問われる「組織能力」~
2026年10月16日

