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人材を活かす「モチベーションマネジメント経営」

2008年09月11日

岩崎 靖

経済産業省では、「知的資産経営の開示ガイドライン」を示している。知的資産経営とは、企業が自社の固有の知的資産(人材、技術力、顧客など、貸借対照表にあらわれないもの)を活用し事業拡大を図るマネジメント・スタイルのことである。この経営において最も重要な知的資産は、人材、すなわち従業員と認識されている。

その従業員に最近「うつ病」がふえている。社会生産性本部の調査によれば、56%の企業で「こころの病」が増加している。厚生労働省の調査によれば、うつ病の患者数は、2005年10月時点で92.4万人おり、3年前に比べ21.3万人も増加している。

厚生労働省では、「労働者の心の健康の保持増進のための指針」(新メンタルヘルス指針)を提示している。労働安全衛生法に基づき、企業がメンタルヘルスに積極的に取り組むことを求めている。多くの企業が、1次予防(未然防止および健康増進)、2次予防(早期発見と対処)、3次予防(治療と職場復帰、再発防止)という目的を達成するため活動を行っている。また従業員の健康は業績に直結するため、経営戦略の中にメンタルヘルス・マネジメントの重要性を位置づける企業も増えつつある。

企業にとっては、メンタルヘルスの対策をさらに発展させ、従業員がモチベーション(やる気)をもって働ける職場を提供し、業績向上につなげることが重要になる。現状、従業員のモチベーションアップに関しては、業績評価による昇進・昇給によって行っている企業が大半である。今後は、個人、部署、会社全体のモチベーションを定性・定量的に把握し、心理学の面から「従業員の自己実現欲求」にまで踏み込んで、モチベーションアップに取組む企業、すなわち「モチベーション・マネジメント経営」に取組む企業が今後出現すると期待されている。入社をすると「やる気がでて、健康になれる」、そして業績も好調、そのような企業が日本経済を活性化することが望まれる。

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