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東海道新幹線に乗る人が増えると株価が上がる

2008年09月02日

吉野 貴晶

筆者が尊敬するある投資家に「新幹線が混んでくると景気が良くなる」と言われた。確かに、景気が良くなり始めれば人の移動も活発になってくるだろう。筆者の近くには鉄道に詳しい方もいるが「鉄道は人々の生活に密着しており景気との連動性が高い。特に新幹線は景気を映す鏡」と言っていた。

確かに景気が良くなれば旅行も増える。新幹線のお客が増えるだろう。また商用で新幹線を利用するケースも増えるだろう。そこで今回は新幹線の旅客数と株価の関係を調べた。

株価との関係を調べる前に、新幹線に関して確認しておく必要がある。新幹線は全国新幹線鉄道整備法第1章第2条で「その主たる区間を列車が200キロメートル毎時以上の高速度で走行できる幹線鉄道」と定義される。在来線の線路に新幹線車両が走れるようにした山形新幹線などは、この定義にはならないが、ミニ新幹線と呼ばれる。2008年7月末現在ではこのミニ新幹線を含めて8本が走行している。

そして単純に新幹線の旅客数と株価を見るのではなく、東海道新幹線であるJR東海の旅客数と、JR東日本の新幹線の旅客数の比較を行い株価との関係を見た。単純に新幹線の旅客数を見ると増加傾向にある。特にビジネスでの利用も多い東海道新幹線の旅客数の伸びが株価との関係が強いようだ。そこでJR東海とJR東日本の新幹線に関する旅客輸送人キロをJR東海÷JR東日本でレシオ(以下、新幹線レシオと言う)にしたものと日経平均の推移である。新幹線に関する旅客輸送人キロには、定期と定期外の合計を使用した。尚、「輸送人キロ」とは、運んだ旅客数(人)にそれぞれの乗車した距離(キロ)を乗じたものの累積を指しており、交通機関の輸送の規模を示す重要な指標とされている。また新幹線レシオは年度ベースで算出されているため、日経平均も年度末である3月末値を使用した。両者の相関係数を算出すると0.87となり、強い相関関係にある事が示された。石村貞夫著『すぐわかる統計解析』によると相関係数0.87は、「強い相関がある」と言える。新幹線レシオが上昇すると株価も上がるという関係だ。

この関係から見ると、「JR東海の旅客数が増えると、株価が上がる」関係が強く見られる。そして新幹線レシオの上昇と日経平均の関係をより深く見た。レシオが上昇、つまり東海道新幹線の旅客数が、前年度に比べて相対的に増えた場合には年度の日経平均の平均騰落率が1.81%上昇した。逆に東海道新幹線の旅客数が減った場合では、-1.03%の下落となった。新幹線に乗る時には、座席の混み具合をチェックして欲しい。東海道新幹線が込んできたと思うなら株価が上昇するシグナルとなるだろう。

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