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「クレジットカード」+「電子マネー」が主流となる

2008年07月04日

日本におけるお金の決済手段は、ここ10年で大きく変わった。クレジットカードに取ってかわることも期待されたデビットカードは、全く普及が進まなかった。一方、「スイカ」、「パスモ」、「エディ」などの電子マネーはその利便性から急速に浸透してきている。

デビットカードについては、どちらかというと業者の論理で推進機運が高まり、利用者の利便性の向上という視点が不足していた面は否めない。カード利用者の立場から考えた場合に、既に十分に普及しているクレジットカードと比較して、あらためてデビットカードを利用するメリットが希薄であったということであろう。例えば、ポイント還元やセキュリティ面では、クレジットカードの方が有利な点が多い。あえてデビットカードを使うインセンティブはあまり働かなかったのが広く普及しなかった要因であろう。

アメリカなどでデビットカードが急速に普及した要因には、日本とは全く異なる「小切手」社会という背景が影響していると考えられる。日本では、公共料金や各種支払いやクレジットカードの決済には、「口座引き落とし」という手段が用いられるが、アメリカではそれらの支払いには「小切手」を郵送などで送付するという手間を必要とする。そのため、毎月クレジットカードの請求書が届くと、その請求金額分の小切手を切って、郵送しなければならない。その点、デビットカードは、口座から直接引き落とされるので、そのような手間がかからない。

また、アメリカのデビットカードでは、「キャッシュアウト」と呼ばれる日本にはないサービスがある。これは、支払い時に支払額以上の金額を決済することで、その「お釣り」分を受け取ることによって、ATMに行かなくても現金を手に入れることができるものである。つまり、アメリカにはデビットカードを使うメリットが利用者側にあったということであろう。

電子マネーについては、首都圏を中心に、急速に普及して来ている。特に、「スイカ」や、スイカと互換性のある「パスモ」は、利用者に対して利便性を強くアピールしつつある。もともと鉄道系の特性を生かし、定期券として機能に加え、券売機で切符を買う手間を省けるというメリットがある。それに加えて、一般小売店においても、財布から小銭をさがしたり、釣り銭で財布が膨れ上がってしまうことなく、買い物ができる。クレジットカードのように、サインしたり、回線での承認のために待たされたりすることもなく、約1秒で決済できる。オートチャージ機能などにより、いちいちどこかへ出向いてチャージするという手間も省ける。

電子マネーは、一度、使い方に慣れて利便性を実感してしまうと、それが当たり前になってきて、いろいろな場面・店舗で使いたいというニーズが高まってくると思われる。最近では、電子マネー機能を組み込んだ携帯電話が普及し、また、電子マネーを使える店舗も急速に増えてきている。日本では、今後、「クレジットカード」+「電子マネー」が、主流になる傾向が高まるのではないだろうか。

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