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投機によって原油価格高騰は収まる

2008年07月01日

原田 泰

投機によって原油価格が上っていると言われている。しかし、本当に投機が活発になれば、原油価格高騰は収まる。

多くの石油エコノミストが原油価格高騰は収まると見ていた。というのは、石油代替資源は多数あって、その採掘コストは100ドル以下と言われているからだ。通常の石油に加えて、石油の部類だが、超重質油、深水油田、さらにオイルサンド、オイルシェール、メタンハイドレードなどがある。メタンハイドレードを除けば、その開発コストは60ドル以下ですむようだ(ただし、資源を採掘するためにはエネルギーが必要なので、エネルギー価格が高騰すると開発コストも上るという関係があり、コストがさらに高くなる可能性も強い。また、環境保全のコストも高くなるだろう)。原油価格が100ドルを越せば採算が取れる。にもかかわらず、条件の良い場所にあるオイルサンドなどを除けば、開発が進んでいないようだ。

その理由は、いつ原油価格が下落するか分からないからだ。現在は、200ドルになると予想している人もいるが、数年前には30ドルだった。30ドルに下落したら、代替資源開発業者は破産してしまう。

投機によって、長期の原油先物価格が成立すればどうなるだろうか。10年後の石油価格が130ドルと決まれば、多くの企業が条件の悪い油田や代替資源の開発に取り組むだろう。長期の石油の先物を売りたい人々はいる。開発利益を確定したい代替資源開発業者だ。しかし、長期の石油先物を買いたい人々はいないようだ。将来、価格が下がることを恐れているのだろう。原油価格を安定させるためには、投機家が少なすぎる。

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