人口減少の日本にとって、経済的地位低下は良いニュース
2008年05月01日
日本の一人当たりGDPが世界で18位になってしまったことが話題になっている。もはや、日本は経済一流国ではなくなったというわけだ。しかし、人口が減少する日本にとって、これは悪いニュースではない。
一時、2位にあった日本の地位が18位にまで下がってしまったのは、日本よりも速く成長した国があったからだ。その国の数は16カ国あることになるが、うち半分はオーストリア、スイス、デンマーク、フィンランド、アイルランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデンといった、人口が1000万以下の小国である。日本より豊かで、日本より人口が多い国はアメリカしかない。ドイツ、フランス、イタリアのように人口の多い国は、日本と同じように順位が下がってしまった(ただし、イタリア以外は日本をなんとか追い抜いた)。
人口が少ないほど成長率は高くなるという傾向があるようだ。なぜ人口の少ない国の成長率が高くなるかというと、自国の市場には頼れないからだろう。自国にそこそこの大きさの市場があれば、その市場に依存できる。自国だけの規制や慣行を作り、他国の企業が入って来られないようにすれば、そこそこのビジネスができる。しかし、そのビジネスはそこそこのものにすぎない。世界が与えてくれるビジネスに比べればわずかなものだ。
典型的には携帯電話ビジネスだ。世界でトップのフィンランドのノキアの生産台数は3.4億台だが、日本でトップの企業の生産台数は900万台にすぎない。
人口減少を恐れることはない。日本ではなく、世界で勝負するしかないとなれば、日本の企業は、そこそこのビジネスに満足することなく、世界のビジネスに挑むだろう。人口小国になった日本の成長率は高まるはずだ。
一時、2位にあった日本の地位が18位にまで下がってしまったのは、日本よりも速く成長した国があったからだ。その国の数は16カ国あることになるが、うち半分はオーストリア、スイス、デンマーク、フィンランド、アイルランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデンといった、人口が1000万以下の小国である。日本より豊かで、日本より人口が多い国はアメリカしかない。ドイツ、フランス、イタリアのように人口の多い国は、日本と同じように順位が下がってしまった(ただし、イタリア以外は日本をなんとか追い抜いた)。
人口が少ないほど成長率は高くなるという傾向があるようだ。なぜ人口の少ない国の成長率が高くなるかというと、自国の市場には頼れないからだろう。自国にそこそこの大きさの市場があれば、その市場に依存できる。自国だけの規制や慣行を作り、他国の企業が入って来られないようにすれば、そこそこのビジネスができる。しかし、そのビジネスはそこそこのものにすぎない。世界が与えてくれるビジネスに比べればわずかなものだ。
典型的には携帯電話ビジネスだ。世界でトップのフィンランドのノキアの生産台数は3.4億台だが、日本でトップの企業の生産台数は900万台にすぎない。
人口減少を恐れることはない。日本ではなく、世界で勝負するしかないとなれば、日本の企業は、そこそこのビジネスに満足することなく、世界のビジネスに挑むだろう。人口小国になった日本の成長率は高まるはずだ。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
メタバースは本当に幻滅期で終わったか?
リアル復権時代も大きい将来性、足元のデータや活用事例で再確認
2025年06月11日
-
議決権行使助言業者規制を明確化:英FRC
スチュワードシップ・コード改訂で助言業者向け条項を新設
2025年06月10日
-
上場後の高い成長を見据えたIPOの推進に求められるものとは
グロース市場改革の一環として、東証内のIPO連携会議で経営者向け情報発信を検討
2025年06月10日
-
第225回日本経済予測(改訂版)
人口減少下の日本、持続的成長への道筋①成長力強化、②社会保障制度改革、③財政健全化、を検証
2025年06月09日
-
「内巻」(破滅的競争)に巻き込まれる中国自動車業界
2025年06月11日