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意外に堅調なノートPC需要

2008年04月21日

杉下 亮太

米国景気の減速懸念が強まるにつれ、08年のPC需要について慎重な見方が増えた。デスクトップPCはもちろん、高成長の続いてきたノートPCでもブレーキがかかると見る向きが少なくないようだ。大和総研では08年のノートPC世界需要を前年比(YoY)26%増と現時点で予想しているが、20%以下にとどまるとの見方もある。

ところが、今のところノートPC需要は思っていた以上に底堅い。世界のノートPCの9割を生産する台湾PCメーカーの出荷動向を見ていても、季節要因以上の明確な減速の兆候は感じられない。1-3月期の台湾大手5社によるノートPC出荷数量は、年初の段階で前四半期比(QoQ)13%減と予想していたが、実際には8%減にとどまった。YoYでは38%増である。

4-6月期の台湾メーカーのノートPC生産計画についても、大幅な下方修正は生じていない模様である。インテルも1-3月期決算発表に際してコメントした通り、最終需要は現在の段階では堅調な様子が窺われる。3月に発生したLGケミカルの工場火災の影響で、電池不足が一部で表面化する可能性があるものの、4-6月期の台湾大手5社によるノートPC出荷台数はQoQで6%増加すると大和総研では予想している。YoYの伸び率は36%増となる(注:大手メーカー5社はシェアを伸ばしているため、ノートPCの世界需要よりも高い伸び率となっている)。

むろん、これは現時点での状況である。7-9月期あるいは10-12月期になってノートPCの売れ行きに急に陰りが出る可能性を否定はしない。しかしながら、大手PCブランド側も景気減速はわかっているであろうから、需要喚起のために今後値下げを実施する可能性は十分にある。結果的に08年のノートPCの出荷数量は意外に伸びるという展開になるのではないか。YoY26%増という大和総研の前提は一見楽観的過ぎるように見えるかもしれないが、決して高すぎないと考えている。

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