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公益認定等ガイドラインのパブコメ

2008年03月24日

経済調査部 主任研究員 市川 拓也

公益認定等のガイドライン案が、今月30日までの予定でパブリック・コメントにかけられている。このガイドラインは一昨年の5月に国会で可決・成立した公益法人関連3法の公益認定にかかる運用の指針であり、これが制定されると、あとはいよいよ今年の12月からの新制度スタートへ向けた最終段階ということになる。

今回のガイドライン案は、項目によってはかなり細かなつくりとなっている。たとえば、公益認定法の認定基準のひとつ“公益目的事業の収支相償”について(第5条第6号、第14条関係)は、第1段階と第2段階で判断する方法をとり、さらに収益事業からの繰入れが50%の場合とこれを上回って繰入れる場合で計算を分けるといった細かさである。また、“経理的基礎”(第5条第2号関係)の3要素のひとつ“情報開示の適正性”において、外部監査なしなら、費用及び損失の額又は収益の額が1億円以上の場合、監事の1人は公認会計士、税理士が務め、1億円未満の場合、営利又は非営利法人の経理事務を例えば5年以上従事した者等が監事を務める(義務づけるものではなく、個別判断も可)としている。

明治29年以来の抜本的な改革であることからやむを得ないともいえるが、新制度にかかる法令については、新法の条文が政省令に委ねられている部分が多いなど、かねてからわかりづらさが指摘されてきた。昨年9月の政省令制定後も、なお、法令解釈等で判然としない部分が多く、早期申請に向けた対応がとりづらい状況が続いてきた。今回のガイドラインはこうした部分を補う役割を担うことが期待されるだけに、その分、基準も細かくつくられているともいえる。

しかし、多様さに特徴をもつ公益法人について、そのすべてが完璧に網羅されているはずもない。そもそも事前に100%認定が確定できるようであれば、公益認定等委員会の個別判断は不要である。前回の政・府令のパブコメ結果が理解を促したことを踏まえ、現時点で不明確な部分が少しでもあれば、自ら法人のためだけでなく、他の法人のためにも積極的にコメントを寄せるべきであろう。

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経済調査部
主任研究員 市川 拓也