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サブプライム調査の最終報告の見通し

2008年02月20日

吉川 満

米国一極集中経済の終焉と言う話さえ説得力を持って、マスコミを賑わせるほど、サブプライム問題は大きくなった。現時点では問題の余波がどの程度まで広がるか定かではないが、幸いにして比較的関与の少なかった、我々日本人に出来る事は、まずはサブプライム問題に関する公的調査の結果をじっくり分析することだろう。もちろん、日本の金融庁が既に一部着手しているように、同時に今後の対応を考えていくことも必要だが、欧米に比べ関与が少なかった国として、ここはまず、・・・住宅問題は直接は関係ないし、金融機関の体力の問題も、直接存立が脅かされるにはいたらなかった国として、・・・まずは欧米の報告書をスタディして行こうと言う立場から、考えるべきことをまとめてみる。

まず、公的報告書として最も重視するべきものは何かというであるが、これには二つあると考える。第一は米国の金融諸当局の報告書である。中でも、急遽作業を行った大統領作業部会チームの報告書は見逃すことが出来ない。大統領作業部会として報告書が出されるのかどうか、(或いは各機関ごとに作成することに成るのか)現時点でははっきりしない所がある。しかし、財務省(Treasury Department )、連邦準備理事会(FRB)、証券取引委員会(SEC)、通貨監督官(Office of Controlerof the Currency),商品先物取引委員会(Commodity Futures Trading Comittee)と並べれば、米国の主要な金融規制機関が網羅されていることがわかる。これらの金融機関規制当局の発出する報告書をじっくり読み込む必要がある。ちなみに大統領作業部会ないし報告書が別になればSEC報告は、中間報告が早ければ3月にも発表される可能性がある。

10年前だったらそれだけでよかったかもしれない。しかし、グローバルな金融取引が日常茶飯の事となった現在は、それだけで十分とするわけにはいかない。金融規制を中心になって担当している、国際機関の報告も目を通さなければならない。第一には世界的な機関として、G7蔵相・中央銀行総裁会議を落とすことは出来ない。3ヶ月に一度は定期的に会議を開いており、世界の情勢に通じているし、現に過去二回は具体的にサブプライム問題に関する討議も行っている。

これを補佐するものとして、IOSCO(証券監督者国際機構)おょびFSF(金融安定化フォーラム)も忘れることができない。G7と異なりトップだけでなく、スタッフも参加しているので、専門家がじっくり検討した意見が提出される可能性がある。過去二回はG7とタイアップした形で会合を開いており、国際的な金融規制当局として定着しつつある。ちなみにIOSCOは各国の証券規制当局であるが、それだけに証券に専門分野を絞った指摘には鋭いものがある。特に今回のサブプライム問題に関しては、FSFを通じても各国当局は対策に関与しており、これは見のがせない。最終報告は5月にG7に対する報告の形で発表されることになっている。

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