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中国の金利は低すぎる

2008年02月01日

原田 泰

中国の金利は、貸出で6-7%程度である。日本の金利に比べれば高いが、低すぎる。何に比べて低いかといえば、成長率に対してである。中国の実質GDP成長率は10-12%である。消費者物価上昇率は6-7%で、名目GDPの成長率は15-18%である。実際の物価上昇率はさらに高いとも言われている。

成長率が高いということは、投資して利益が上る可能性が高いことを意味する。皆が借金をして投資をすれば、通常は、金利が上り、投資が抑えられる。ところが、金利が規制されているので、金利は上らず、投資は過熱する。投資過熱の結果は、不動産や株など資産価格の上昇である。現在の中国でインフレ率が上昇しているところを見ると、資産インフレが一般物価にも波及しつつあるのではないか。

物価を抑えるためには、金利を引き上げる必要がある。中国が金利を引上げないのは、金利を上げれば、高い金利を目指して海外の資金が流入し、元を切り上げざる得なくなるからだ。元を上げれば、国際競争力が低下し、中国の経済成長が頓挫する。それが嫌だから、インフレを抑えるために金利を引き上げることはできないと言うのだろう。しかし、このままなら物価は上がり続ける。これは、日本が1970年代初に経験したことである。

物価が上れば賃金も上がり、いずれにしろ国際競争力は低下する。どちらにしろ、国際競争力が低下するなら、金利を上げて元高をもたらすか、金利をそのままにしてインフレが起きるのを傍観するか、どちらかを選ぶしかないだろう。もっとも、サブプライムローンによるショックがアメリカ経済を適度な不況にすれば、アメリカへの輸出に依存する中国の景気過熱もやや収まり、元高かインフレかの選択を後回しにできるかもしれない。

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